耐えに耐え忍んで
まさかのノーフーロトップ!
小林剛の麻雀は面白いんです
【B卓】担当記者:岸本英嗣 2021年6月19日(土)
はじめて観戦記を担当させていただきます。
岸本英嗣ともうします。
「おまえ誰やねん」的なのが気になる方は、ぜひ最後のライター紹介まで読んでくださいね。
さっそくやっていきましょう。
最強戦といえばまずは各選手の入場シーン。
いつもの独特の音楽と小山剛志さんのナレーションとともに、麻雀卓までの花道を歩くのは、麻雀強者だけに許された特権であり、麻雀打ちであれば一度は夢をみたことがあるハズ。
そして、花道を歩く時間も、出場選手に与えられた表現の場。
私はいつもワクワクしながらみています。
近いところでは、HQ麻雀の総帥・醍醐大プロからは想像しかできないカワイイ入場シーンが印象に残っていますが、私が見た中でいちばんカッコよかったのは、麻雀最強戦2018の朝倉康心プロの入場シーン(たしか、男子プレミアトーナメント天鳳ニューパワーのときだったか?)。背中にガムテープ的なもので「天」と書いての背面入場は、メチャクチャシビれました。
さて、今回の出場者は、
金色の若獅子·金太賢
ゼウスの選択·鈴木(ノーネクタイ)たろう
麻雀サイボーグ·小林剛
マムシの沢崎·沢崎誠
以上の4選手。
今回の入場では鈴木たろうプロのあのガッツボーズかっこよかったですね~。1人だけノーネクタイでベンチャー社長風。
あと、沢崎プロと小林プロは、大学の先輩後輩関係にあるんですね~。小林プロもあと10年くらいすれば、沢崎プロのような重鎮感しかない風貌になるのでしょうか。勝手な期待が高まります。
ゼウスのダマ
では、対局に入っていきましょう。
東1局
7巡目、鈴木プロに8000点のリャンメンテンパイが入ります。
自分の河は、ツモ切りの前にが先切りされており、リーチしたとしても出アガリ率はそこそこありそう。マンズの上目の情報は、直近で東家の金プロが手出し、北家の小林プロがを切っている、という程度です。
そうであれば、ツモって跳満のメリットを確保すべくリーチ!という選択もありそうです。
しかし、ゼウスはこれをダマ!
これは、対局後にもご本人が少し話をされていましたが、やはりこの予選が、「2着取りゲー」であることが大きな要素であったと思われます。
参考に、麻雀順位予想計算機で、東1局に8000点を出アガリした場合の結果は、なんと連帯率72%!
もちろん、これはあくまで計算上のデータですし、2着以上の価値が等しく、すべてのプレイヤーが「2着以上に入ること」を目指すルールにおいては、あくまで参考程度の数値にしかなりません。ただ、2着取り麻雀において、東1局の8000点はものすごく大きいということ。
鈴木プロは、そのことを重視し、この手のアガリ率を最大化することを目指してのダマだったと思われます。
ほどなく、東家の金プロからが捨てられ、実況の日吉さんいわく、ヤミたろうのズルたろうが8000点のアガリ。
この後も、「2着以上の価値が等しく、すべてのプレイヤーが2着以上に入ることを目指すルール」ならではと思われる味わい深い選択が随所に見られます。
トッププロが2着抜け1戦トーナメントを打つとこんなにおもしろい対局になるんですね。
東2局は、ヤミたろうのズルたろう(繰り返しますが、日吉さんが命名しました)が、小林プロから、ホンイツ・一気通貫の3900のアガリ。
鈴木プロは、
をでリャンメンチーして打です。
その前のとはいずれもツモ切り、
その後のともツモ切りです。
そうすると…、
が放銃になるとすれば、
(沢崎プロの切った)を鳴いてテンパイをとっていないことになります。
ピンフのみとはいえリャンメンテンパイをしていた小林プロとしては、このは放銃になる可能性が低いため見合う、ということで切られたのでしょう。
東3局、東家の鈴木プロがダブドラの2000オールをアガリ、さらに加点。
東3局1本場は、金プロと沢崎プロの2人テンパイで流局。
荒モドシならぬ金モドシ
東4局2本場(供託1本)、2着まで9000点と、それほど大きく離されていないとはいえ、加点しておきたいラス目の金プロにチャンス手が!
4巡目にドラのを鳴いて以下の牌姿で何を切りましょうか?
8000点のポンテンなんやから
か以外ないやろ!
と思われた皆さん、その怒りは、