紫電一閃! 震える指先で掴んだ瀬戸熊直樹のヘル・ウェイティング 【Mリーグ2021観戦記11/2】担当記者:ZERO

満貫ですめばいいが、ラス目の瑠美がリーチときてるのだ。ハネマンということだってある。

そして再び魚谷のターンが回ってきた。

念願のテンパイ!

しかし試練は続く。カン【5マン】【4マン】【1ピン】のシャンポン、どっちに受ける?

見た目枚数はどちらも3枚と同じ。

瑠美のリーチには、【6マン】はほぼ通る。(【3マン】が通っていて【8マン】が4枚見えている。さらに二打目に【7マン】を切っている)

【4マン】【1マン】【4マン】やカン【4マン】があり、無筋だ。

ここは安全度でも打点でも【6マン】を切ってシャボに受ける場面だろう。

しかしシャボに受けると、無情にも山にアガリ牌はない。

魚谷が選択したのは…

【4マン】を切った!

あえて危険をおかし、山にいる待ちを残したのだ!

え? え? なぜ【4マン】が選べた?

この選択についても魚谷は丁寧に答えてくれた。

カン【5マン】についてはかなり早い段階で感触があって、瀬戸熊さんの【8マン】手出しがかなり不自然なのでここだけスライドの可能性がありますが、瑠美さんは【7マン】切りが早くあまりこの周りは持ってなさそうです

松本さんも持っていても1面子かなと。

かつ、瑠美さんはかなり長考して【中】対子落としをしたので(普通は切ってる【中】のトイツ落としは普通なのにそこまで悩むということは頭の切り替えだと思いました)ドラで回って最終的にドラ周りのテンパイかドラ単騎まであるかなと思いました。(ドラが入ったケースもあるので一点読みはできないです)

最後は【6マン】の方がほぼ通るとは思ったんですが、ドラには感触なし、【4マン】は一枚切れということで勝負の打【4マン】としました。

魚谷の読みどおり、瑠美のリーチはドラ単騎で、瀬戸熊の打【8マン】【5マン】とのスライドだった。

見た目枚数は同じでも、魚谷の目からは危険牌を切るに見合うほどの差があったのだ。

魚谷は思考の海へダイブし、その読みに身を任せた。

こうして魚谷は瑠美から【赤5マン】を召し捕った。

誕生日プレゼントは人からもらうものではなく、自ら掴み取るもの…

いや、さすがに人からもらうものかw

雷電・瀬戸熊直樹の指は震えていた

次局、南3局2本場。

瀬戸熊はこのカン【6ピン】テンパイをダマテンに構えた。↓

瀬戸熊「即リーチ打つ手もあるんですが、1枚切れで手応えもなかったので…」

【4ピン】【8ピン】ツモでリャンメンになるし、ツモ【7ソウ】で三色になる。

【5ピン】をツモってのシャボ待ちもカン【6ピン】よりは良さそうだ。

直後に上家の松本から【6ピン】が打たれる。

状況がますます苦しくなったな…。

そう思っていたら…

「リーチ」

絞り出すような低い声を出した。ツモ切りリーチだ!

これに飛び込んだのが瑠美。

瀬戸熊は裏ドラものっけて8000のアガリ。

トップへと迫り、オーラスを迎える。

思えば、瀬戸熊が東3局で満貫をツモった時も…

その指先は小刻みに震えていた。

今年の雷電のテーマは「雷電ORIGIN」だという。

ORIGINとは「原点・起源・由来」などを意味する。

自分たちがなぜ麻雀プロになったのか、なぜMリーグで戦いたいと思ったのか、原点に帰って今シーズンに挑みたい、という思いが込められているという。

瀬戸熊の原点は

©しおざき忍/ZERO

「克己心」

自分に負けない心である。

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