ここらへんは先日発売されたMリーガー漫画「追憶のM」に収録されている。
さりげない上にごくごく自然な宣伝がキマったところで、今日の瀬戸熊は牌に誘われすぎないように心がけたという。象徴的なシーンがコチラ。↓
のを切るのはもったいなく感じるが、実はこのは見た目ほど機能していない。をツモると2度受けになってしまうからだ。
こうなるとマンズのリャンカンを払っていくよりないが、あまり前進している感じはしない。
そこでマンズピンズソウズに構えを決め、それで負けたら仕方がない、という形に持っていったのだ。
こうして迎えたオーラス。
その瀬戸熊がテンパイを果たす。↓
チートイツのみ。
トップの松本までは5000点差であり、チートイツでまくるためにはリーチが必要だ。
小考の後、瀬戸熊はを切ってダマテンに構えた。
もっといい待ちへの変化、をツモってのメンツ手、そして何巡かしたらまたしてもツモ切りリーチを打とうとしていたのかもしれない。
次の巡目だった。
2枚切れ… いわゆるヘル・ウェイティング(地獄待ち)になるをツモってくる。
地獄待ちでリーチにいくにはやや早い巡目のような気もする。
しかし…
「リーチ…」
瀬戸熊はまたしても呻くような… それでいて力強い声とともにリーチ棒を置いた。
地獄待ちなら一発も期待できるし、松本からの直撃も十分ある。
もうこれ以上いい待ちを望んでいる時間のゆとりはない。そう判断したのだろう。
どうなるのか… とドキドキする暇もなかった。
「ツモ」
「30006000」
雷電の黄色い稲妻が、卓を切り裂いた。
地獄待ちを一発でツモり、おまけに裏ドラまで乗せたのである。
松本のトップへの乾きも
魚谷のバースデートップも、瀬戸熊が打ち砕いたのだった。
形を決めて一刀両断。
自分のスタイルで勝ちきった瀬戸熊の表情はとても晴れやかだった。
雷電が原点に帰り、念願のファイナル進出まで突き進む。
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」