Mリーグの海に潜むリスクとリターンを見極めろ 瑞原明奈、勝利へ向けた決断の舵取り【Mリーグ2021観戦記11/8】担当記者:東川亮

その方針が変わったのが、松ヶ瀬の打【7ピン】。このとき、松ヶ瀬はロン牌【4マン】をつかんでテンパイを崩している。ドラ切りからずっとツモ切りを繰り返していた松ヶ瀬の【7ピン】手出しを見て、瑞原は松ヶ瀬の後退を察した。

直後に引いてきた【1ピン】を暗カン。

新ドラは乗らなかったが流局間際にツモって60符2翻、1000-2000のアガリを決めた。【1ピン】をカンしていなければ、この手の打点は40符2翻の700-1300となっていた。

カンは自分の打点アップ、ツモ番を増やすなどのメリットがあるが、他者の打点アップを誘発するデメリットもある。ただ、松ヶ瀬が受けたとなればリスクは若干減少、局も終盤で多井や瀬戸熊のリーチを受けるリスクも低くなっており、仮に来られても2人の現物【2マン】がトイツで守備の受け駒が担保されていることから、総合的に見てカンが得だと判断したのだろう。

最終局、逆転トップを狙う瀬戸熊が【北】【2ソウ】のシャンポン待ちでリーチをかけた。アガれば2着、アガリ方次第では逆転トップまである。

リーチを受けた松ヶ瀬は、一発目につかんだ【北】を切った。瀬戸熊のアガリはもちろん、テンパイノーテンで試合終了でも3着落ちの公算が大。それなら1枚切れの【北】など止めていられない、ということだ。

瀬戸熊への放銃はリーチ一発【北】、本場と供託を含め、この時点で瀬戸熊の加点は6500。瑞原と瀬戸熊の差は6600。裏ドラがこの試合のトップを決める。

裏ドラは【中】、瀬戸熊の手の内にはなし。瑞原はギリギリで逃げ切った。点差はわずか100点、最後の一押しとなったのが南2局、【1ピン】の暗カンによる加点だった。

今シーズンのパイレーツは、エース・小林剛が苦戦。しかしその中でポイントをキープできているのは、朝倉康心の活躍はもちろん、瑞原が5戦全連対と確実にポイントを持って帰ってきていることが大きいだろう。現時点でのアガリ率31パーセントは、Mリーグ32選手中最高の数字。果敢に戦う女海賊は、パイレーツクルーに勇気と希望をもたらしている。

ナイストップー!!

https://twitter.com/asakurapinpin/status/1457667252489125888

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