同じ轍は踏まない!“我慢の魔王” 佐々木寿人が手繰り寄せた 復活のホンイツ 【Mリーグ2021観戦記12/2】担当記者:ゆうせー

これで寿人は2位に浮上し、次の局の3巡目には、

とんでもない手のイーシャンテンになっていた。

寿人は、

【西】とした。役牌でドラの【南】がアンコなだけに、【7ソウ】にくっついても十分な打点がある。

次に寿人が持ってきたのは、

なんということだろう。

前巡、手広いのは【西】切りだ。それは誰もが分かっている。決して悪手ではないと思う。

だが、心のどこかで、“寿人なら【7ソウ】を切ってホンイツにいくんじゃないか”と期待している自分がいた。それもまた事実だ。

【西】ホンイツの匂い消しもある。一方、【9マン】ポンの【西】単騎でもハネマンのテンパイという面もある。

ただ一つ言えるのは、寿人はここでホンイツのテンパイを逃したということ。

そして、9巡目、

寿人はまだテンパイしていなかった。

さらに、

瑞原からリーチがかかる。

私も含め、多くの打ち手はここで気持ちが萎えてしまうことだろう。

“あのとき【西】を切らなかったら…”

しかし、

「魔王」佐々木寿人は、

『リーチ』

“今出来ることを最大限に”

リーチをかけてぶつかっていった!

ここは真っ向勝負。

リーチメンホン【南】ドラ3。出アガリでも8翻で倍満。ツモった場合にはツモと三暗刻もついて11翻で三倍満だ。そして、いずれもリーチをかけないとハネ満や倍満で止まってしまう。

勝負手が出来たなら、打点を上げて“思い切りよく”。それが寿人の麻雀。

『リーチ』

茅森も参戦してきた!

息を飲む3軒リーチ。

勝つのは、

瑞原か?

茅森か?

寿人か?

『ツモ』

寿人だ! 6000-12000のツモアガリ!!

脳裏に焼き付くような裏目を振り切って、ホンイツをツモりあげた寿人。

本当に凄いのはこのあとだった。

南3局のリーチ合戦で亜樹が瑞原に放銃し、オーラスをトップ目で迎えた寿人は、

【中】をポン。ドラの【1ピン】がトイツで【發】もトイツ。十分に親の満貫が狙えるこの手で、

【8マン】

【8ソウ】と切って染め手に向かったのだ!

打点十分なので、染める必要は無いのかもしれない。だが、それは先の三倍満をツモった局の、

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