熱戦が繰り広げられるセミファイナル やれんのか？ 伊達朱里紗！【Mリーグ2021観戦記3／22】担当記者：江嵜晋之介

同巡、小林が先に処理したはずのを再びツモ。
東城の現物にがあるため、ツモ切り伊達への放銃となってしまう。

伊達はピンズを余らせておらず、東城のリーチにも現物しか切っていなかったためテンパイかどうか非常にわかりにくくなっていた。

小林にとっては不運な放銃となってしまったが、伊達にとっては会心のアガリとなり1人抜き出たトップ目に立つ。

南1局、この局、序盤からイーシャンテンになったのは伊達と小林だった。

両者ともに七対子のイーシャンテン。
小林は殆ど七対子1本になりそうだが、伊達はギリギリメンツ手への移行も残している。が暗刻の一盃口などになれば守備力を維持しつつ前に出ることができる。

先にテンパイを入れたのは小林だった。
またしてもドラが内蔵された高打点が狙えるテンパイ。
白単騎にしたいが、今回は東2局と違い河が派手になっているため七対子は読み筋に入ってくるだろう。
ただ点数の無い4着であることを考慮し、単騎でリーチを敢行。

今回ももちろんうまくいけば倍満まで狙える。
そして先程と同様に東城が当たり牌を一枚抱えていた。

親番ではあるものの、手が悪かったため守備的に構えていたところ。形を維持しつつアンパイを切って回る。

東城のアンパイが尽きるか、それとも小林が山に1枚のをツモるか。決着はすぐだった。

「ツモ」

伊達だ！

なんとリーチがかかった後から3巡の間に有効牌を立て続けに2枚引き、一盃口のテンパイを入れていた。

アンパイとノーチャンスのを切っている間に、・フリテンのと引き瞬く間にテンパイ。
そしてカンをあっさりとツモり小林の勝負手を流すことに成功。

仮にイーシャンテンになったところで打などメンツ手を見ない進行にしていたらこのアガりは生まれておらず勝負の行方はどうなったかわからない。
この針の穴に糸を通すようなアガリが、結果としてトップを決定づけた。

南2局にはここまでアガりがなかった沢崎が親の満貫を成就させ伊達を追いかけるも

南3局、南4局は小林・東城のアガリで終局。

寿人に続き伊達がトップを取ったことでコナミは２連勝と幸先の良いスタートを切ることに成功した。

ホッとした様子でインタビューに答える伊達。
対局中の真剣な表情と打って変わって、インタビューではその親しみやすい性格で場を明るくさせる。

伊達の強さは、芯の強さだと個人的に思う。
謙虚な心は持ちながらも大先輩相手に果敢に食らいついていく姿には、数値的な結果以上に心動かされるものがある。

そんな伊達の芯の強さが詰まったnoteが3月18日に公開されているので、是非読んでいただきたい。

関連リンク(一部有料)：近代麻雀note やれんのか？ 伊達朱里紗！【文・伊達朱里紗】

「やれんのか？」という言葉が気に入りこの記事のタイトルにも引用させていただいたが、Mリーグで伊達がやれていることに疑問を持つファンはいないだろう。

激しく順位が入れ替わるセミファイナルだが、まだまだ勝負の行方はわからない。引き続きABEMAから目が離せない日が続きそうだ。