「Mリーグ2021プレミアムナイト」に見た、熱狂の広がりと新たな麻雀文化 Mリーグ2021-22コラム【文・東川亮】

「Mリーグ2021
プレミアムナイト」に見た
熱狂の広がりと
新たな麻雀文化

文・東川亮 (2022年4月14日)

3月31日、約2年振りに「Mリーグ2021プレミアムナイト」が開催された。2020年春から日本国内でも流行し始めた新型コロナウイルス感染症により、人が集まる機会が著しく制限され、Mリーグのパブリックビューイング(PV)も実施されなかった。各チームではYouTubeなどを使ったオンラインPVを実施するなど、コロナ禍でも工夫しながらさまざまな取り組みを行ってきていたが、やはり多くの人が集まれるPVには独特の雰囲気がある。

当日は開場前から多くのファンが列を成しており、久しぶりの公式イベントを待ち望んでいる様子がうかがえた。各チームのグッズに身を包んだファンはもちろん、仕事を早く切り上げてきたと思われるスーツ姿の人、楽しく語り合う友人同士、そして中には、小さなお子さんを連れた人の姿もある。男女比もどちらかに偏っているというわけではなく、この光景を見るだけでも、Mリーグがあらゆる層に楽しまれていることが伝わってくる。

会場にはMリーグ公式、そして各チームのグッズ販売ブースが設けられていた。そこに、各チームの選手たちが販売応援で姿を見せる。当然、周囲には人集りができ、一斉にスマートフォンのカメラを向ける。ファンにとっては、リアルなMリーガーと接することができる貴重な機会。この日はサインの時間こそなかったが、ツーショットなどは選手の裁量で許可されていた。選手が通りがかるたび、あるいはブースで見かけるたびにファンが声を上げる。

「近藤だ、近藤誠一がいる!」「瑞原さんとキングだ!」「黒沢選手、小説読みました!」

選手がブースに姿を現したのは、ごく限られた時間のみ。しかしそれは、ファンはもちろん、選手にとってもファンの熱量や応援する思いを直に感じられる、貴重な機会だ。

 

キックオフイベントでは、この日試合が行われるチームを含む、ほぼ全選手が登壇し、出場チームの代表者が挨拶。その後は試合まで、残った選手によるトークショーが行われた。普段は聞けないような質問に、普段は見られないような和やかな表情で答える選手たち、それを楽しむファンの雰囲気はプレミアムナイトならではのものだ。

 

そして試合が始まれば、会場では日吉辰哉と土田浩翔というMリーグでおなじみのコンビが実況解説を務めるだけでなく、試合のない4チームから選手1名ずつがゲスト解説として登場して解説やユニークなトークで会場を賑わせ、ファンは会場で提供された各チームのバルーンスティックを打ち鳴らすことで応えた。

試合後のプレゼント抽選会、そして試合を終えて会場に戻ってきた選手たちのコメントややりとりなど、プレミアムナイトは最後まで盛り上がっていた。この日の試合はKADOKAWAサクラナイツの連勝となり、サクラナイツファンにとっては最高の1日になった。しかしそれ以外の3チーム、そして試合のなかったチームのファンにとっても、好きな選手たちとふれ合い、大勢で試合を楽しんだこの日は、結果に関わらず、やはり最高の1日になったのではないだろうか。

日常のMリーグ観戦では得られない、大人数で試合を観戦するプレミアムナイトのようなPVイベントは、Mリーグが始まってから新たに生まれた、「見る雀」文化の理想を体現する一つの形。野球やサッカーをスタジアムで観戦することに似た熱狂が麻雀で生まれるのは非常に画期的だと思うし、そこで生まれる一体感や高揚感は、日常では得難いものだと思う。

コロナ禍は未だ終息のめどが立たないが、政府や関係各所の対応、個人レベルではワクチン接種の浸透や一人ひとりの感染症対策への意識向上により、有観客でのイベントも徐々に再開し始めるなど、少しずつかつての日常が戻りはじめてはいる。そのような最中で、感染防止対策を徹底した環境下で行われたプレミアムナイトは、Mリーグの興業面、そして何よりもファンの盛り上がり、熱狂の広がりという点について、非常に有意義なものだったと感じられた。

ファンの子どもが、憧れのMリーガーと対面する。Mリーガーは膝を折って、子どもの話に真剣に耳を傾ける。かつて我々がスポーツ選手やアイドル、タレントなどに憧れたように、まだ少しずつではあるが、麻雀プロが子どもたちにとって憧れの存在となりつつある。わずか数年前には想像すらできなかったような、すてきな光景ではないか。

Mリーグでは今シーズン、ファイナル最終日の4月26日にも公式PVを開催することを発表。チケットは既に完売しており、この日は表彰式も行われるとあって、会場はプレミアムナイトと同等以上の盛り上がりとなるだろう。来シーズン開幕までにはコロナ禍が終息し、今度は声を出し、周囲の人と手と手を取り合ってMリーグを楽しめる公式イベントが開催されることを、Mリーグファンの一人として心から願っている。

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