完全武装から開かれた、
岡田紗佳の十三の砲門
【決勝卓】担当記者:越野智紀 2022年6月5日(日)
麻雀最強戦とMリーグとのコラボ企画となった麻雀最強戦2022Mリーグスペシャルマッチ。
決勝卓に進出したのが
A卓1位、U-NEXT Pirates瑞原明奈選手。
B卓2位、KADOKAWAサクラナイツ岡田紗佳選手。
岡田のツモ切りに場が凍ります。
マンズ・ピンズ・ソーズと各種順番に並べられた少し異様な捨て牌。
これはホンイツを装いながら国士無双を狙った時に現れる河の傾向です。
岡田選手のドラ切りを見た瑞原選手が機敏な反応で
メンゼンで仕上がれば高打点が狙えそうなイーシャンテンを急遽かわし手に切り替え、を仕掛けて待ちで2,000点のテンパイを入れました。
次巡、長考した岡田選手からリーチです。
国士無双を狙っていると思っていた岡田からのリーチの声に
「嘘だろ…」と、困惑の表情を見せたのが白鳥選手。
場に枯れている一九字牌が無いどころか3枚見えの牌すらありません。
が1枚見えで、残りの一九字牌が綺麗に2枚見え。
その不自然なまでの均等さに恐怖を感じ、瑞原選手への差し込みを検討。
チーして打たれたが待ちの関連牌だとするとと何かのシャンポン待ちがありそうで、その片割れはあたりが本線に見えます。
本線の牌で手元にあるのがと。
差し込む牌の候補の中に瑞原選手にあたるもありましたが、岡田選手の手が789の三色崩れやチャンタ系だとするとは危険牌です。
そもそも岡田選手の手が役満以外なら瑞原選手に差し込むのはもったいないなと
一瞬浮かんだ差し込みプランを消して安全にを切りました。
一方で瑞原選手は
現物待ちのカンに変化させ、他家からの出アガリも期待しましたが
1年半ぐらい前に、チームメイトの朝倉選手が村上選手の国士無双をギリギリで回避したさいに「2枚切れ以上は打たない」とも言っていましたし、これはまだ一種類目の一九字牌。
仮に岡田選手の手が国士無双でも、これは十三個穴の開いた黒ヒゲ危機一髪。
「は持ってる牌ですよね?」と、剣を刺しこむと
なんとそこで行われていたのは全弾入ったロシアンルーレット。
その不自然なまでの均等さから感じた恐怖の正体は十三門張の国士無双でした。
「この国士無双はまずアガれる。ただ全員強いし、1回戦勝負の決勝卓だと東3局の役満ぐらいじゃ勝負は決まらない」
テンパイした時にそう感じていた岡田選手は少しでも優勝確率を上げるためにはツモアガリがベストと判断し、瑞原選手を降ろしてのツモアガリ狙いでリーチを選択しました。
結果、かわしにいった瑞原選手からロン牌が打たれ、押された以上は見逃せないと出アガリ。
この岡田・瑞原の二人の選択で
32,000点の放銃をせずにすんだ白鳥選手と役満親被りせずにすんだ園田選手。
次局以降、この二人が岡田選手を追い詰めていきます。
まず白鳥選手が3,900点を