麻雀ハイブリッド
白鳥翔が魅せた
踏み込む勇気
【B卓】担当記者:後藤哲冶 2022年6月5日(日)
Мリーグがオフシーズンに入ってから1ヶ月が経った。
平日の夜にはМリーグを見る習慣があっただけに、ここ最近は日常に何か物足りなさを感じてしまう。
SNSでもそういった意見を本当によく見るので、それだけМリーグが多くの人に親しまれ始めていることを実感する。
さて、そんなМリーグファンにとって、今日はたまらない日になった。
“麻雀最強戦2022Мリーグスペシャルマッチ”
Мリーガーたちが最強戦ファイナルへの出場権をかけて熱い対局を繰り広げてくれる。
B卓
東家 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
南家 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘俱楽部)
西家 白鳥翔(渋谷ABEMAS)
北家 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
東場は全体的に流局の多いジリジリとした展開が続く。
そして、そのジリジリとした展開を得意と試合後のインタビューでも答えたのが、西家に座る白鳥だ。
東1局は終盤岡田のリーチを受けながら親の近藤、白鳥が聴牌を取り切り3人テンパイで流局。
最強戦はМリーグとは違い赤が無いルール。相手の打点が読みやすく、安い仕掛けをし過ぎると痛い目を見るケースも多いため、流局も生まれやすい。
東1局1本場、親の近藤の対子落としを見てタンヤオで仕掛け出した白鳥。
を既に切っていて、待ちは自分の目から5枚見えている。
ここは待ちに構えた。
次巡、白鳥に試練の牌がやってくる。
ドラの。
親の近藤はマンズを123で仕掛けており、タンヤオではない。
序盤に内側の牌を切っていることから、チャンタ系の仕掛けに見えるが、バックの仕掛けも無いとは言い切れない。
自分は1000点のノベタン待ち。これはオリか回されるか……。
切った! 近藤はの対子落としが入っているので、ドラのが対子以上で入っているなら不自然な河。
同じくドラ単騎もの対子落としから考えにくい。
ここは自身の和了りを見て切っていった。供託泥棒……改め麻雀ハイブリッドは、かわし手の押し引きが光る。
アガリにこそ繋がらなかったものの、読みと押し引きが光る局だった。
東1局2本場
流局続きの重たい展開を吹き飛ばすべく、手役派の2人が激突する。
まずは南家の滝沢。
ドラがのこの場面で滝沢が選んだのは…
。が入ってのリーチのみに魅力が無く、ドラを使ってのリーチピンフドラが最高形。
マンズの一通も見ただろうか。いずれにせよ、打点を見た赤無し麻雀ならではの選択と言えるだろう。
親の近藤がを引き入れて先制リーチ!
切りから虎視眈々とドラの待ちのリーチを狙っていた近藤は流石の手役打点派といったところか。
滝沢が追い付いた。 切りの後に引き入れたドラのを対子にして、のシャンポンでリーチ!
しっかりと打点を見たが故に、親のリーチに対して強く出られる形になった。 追いかけリーチだ!
しかしこれも実らない──。
海底をしっかりとずらした白鳥が、滝沢の満貫ツモを防いだ。
重たい展開は、まだ続く。
東1局3本場はタンヤオで仕掛けた岡田が制し、東2局はノーテン罰符でラス目になっていた滝沢が2600オールのツモアガリ。
東2局1本場
また平たくなった点棒状況の中、この男が真価を発揮する。
ドラがでをツモって少考する白鳥。
が3枚見えていて、上の三色が厳しい。ソーズの4連続形を活かして、切りにするのかと思われたが……。