独歩・石川遼の個性炸裂!
天鳳位4人が
ぶつかる中で見せた
2人の戦い方とは
【B卓】担当記者:18代天鳳位ヨーテル 2022年6月19日(日)
2011年2月4日。初代天鳳位・ASAPIN(朝倉康心プロ)が誕生した日である。人類には到達不可能だと思われた天鳳位にたどり着いた者が現れたとなり、朝倉はプロになる以前より多くの注目を集め、Mリーグに選出されるほどのプロ雀士となった。
しかしあれから11年、麻雀界と天鳳位の関係性は少しずつ変わっていくことになる。
13代目天鳳位・gousiこと齋藤豪は言う。
4人麻雀の天鳳位はすでに19人。母数が増えれば、価値も下がる。天鳳位になっただけで盛大なスポットライトが当てられる時代はもう終わったのだ。
大舞台で活躍するためには、天鳳位に加えた何かが必要だ。その何かを求めて、齋藤はVTuber活動を始めた。
齋藤だけではない。他の天鳳位達も、そんな時代の流れをなんとなく感じ取っているのではないだろうか。少なくとも、筆者は同じ思いを抱えている。
そして今回、最強戦予選という最も自分を見せられる舞台で、天鳳位4人の卓が立った。天鳳位で、最強位。そんなとてつもない価値を実現するために、4人の天鳳位が卓を囲む。
3代目天鳳位独歩・山田独歩。高速ダンプカーの異名通り、天鳳には似つかわしくないゼンツ系雀士。天鳳位に囲まれた中、攻めの麻雀は自身を決勝戦へと導くことが出来るか。
4代目天鳳位すずめクレイジー・石川遼。独歩とは真逆の門前守備型系雀士。攻めの独歩、守りの石川の構図は何度も見られた光景。まさか最強戦の舞台でも見られるとは。
13代目天鳳位gousi・齋藤豪。VTuber牛さんとしても活躍中。負けると「出荷」されるというネタで連日配信を盛り上げているが、今日だけは出荷されるわけにはいかないだろう。
19代目天鳳位いばらぎ・茨城啓太。1年前に天鳳位になった茨城。とんでもないイケメンである。この面子の中では新参者だが、プロ対局では連日勝ちまくりの日々を送っている。先輩天鳳位に引けを取らない戦いが果たして、出来るか。
東1局 独歩がさっそく動く。
3副露したホンイツで手牌は単騎。これに対応を見せたのが石川。
茨城からリーチが入った局面で、現物待ちではない待ちをテンパイするがダマ。
1軒リーチ相手なら独歩から当たり牌がこぼれる可能性がある事と、危険牌であるソーズの下を持ってきた時にを切って待ちを変えられることが理由だろう。
次巡、をツモって平和ツモ一盃口ドラ2の2000/4000。一発ツモを逃した格好だが、これをリーチする石川なら、きっと彼は天鳳位を取れていない。
東2局 親の独歩が先制リーチ。
ドラドラであり、決められてしまうと上2人が抜けてしまう。茨城、齋藤にとっては早くも正念場。ここで能力の高さを見せつけたのが茨城。
通る牌を丁寧に切り続け、回り回った単騎で独歩から1000点。せっかくの天鳳位対決、何もできずに負けるわけにはいかない。そんな茨城の声が聞こえてくるようなアガリだ。
しかし東3局、親の石川が早いリーチをツモり、リーチ平和ツモドラの2600オールをアガる。これで石川は1人4万点台に。2着までが通過できるこの予選においてかなりのリードである。
まずは2番手に浮上したい石川以外の3者。東3局1本場にアガリを決めたのは独歩だった。単騎をツモり上げ、リーチツモ七対子で1700/3300。石川、独歩の2人が抜けた格好となる。
東4局、まだ出番がなく、上位を追撃したい齋藤の親番。ここで事件が起こる。
まずは配牌を見て見よう。
親番齋藤。悪い。字牌がパラパラしている。
南家茨城。悪い。こちらも字牌がパラパラ。
西家独歩。悪い…いや、これは悪すぎだ!!
10種11牌。国士無双のリャンシャンテンである。
そして、独歩は7巡目に待ちの国士無双をテンパイする。この国士の被害にあったのが…
を安牌として残していた茨城だった。
独歩、国士無双のアガリ。茨城は国士気配を敏感に察知しを先切りしたが間に合わなかった。まさに高速ダンプカーの暴走。
打った茨城もこの表情。イケメンは役満を放銃する宿命に囚われているのだろうか。
その後、茨城は南1局の親でリーチツモドラ2。意地の4000オールをアガる。まだまだ終われない。