ぶつかり合う「理」と「理」…… ゼウスたろうが見せた”理詰めの未来視”とは #麻雀最強戦2022 【男子プロ理詰めの極致】観戦記【A卓】担当記者:渡邉浩史郎

ぶつかり合う

「理」と「理」……

ゼウスたろうが見せた

”理詰めの未来視”とは

【A卓】担当記者:渡邉浩史郎 2022年6月19日(日)

男子プロ 理詰めの極致!!

予選A卓は皆さんおなじみ。理詰めと言えばの有名どころ四人を集めた豪華な卓組となった。

東家は朝倉康心!!

言わずと知れた初代・11代天鳳位、ネット麻雀といえばこの男。

先日、U-NEXT Piratesの契約更改が発表され、朝倉は海賊船を降りることとなった。

一旦海賊の帽子こそ外したものの、ここからは再び裸一貫”朝倉康心”として、まずは最強位という大きな一歩を踏み出したいところだ。

南家は園田賢!!

Mリーグのインタビューではたびたび使われる「園田アングル」。一種のインタビュー芸として確立されているが、その内容は麻雀を深く見つめ続けたものにだけ見える景色に他ならない。園田はその一端を視聴者にわかりやすく伝えているのだ。

この最強戦を勝ち進み、その理詰めの思考の一端を伺えるロングインタビューに期待したい。

西家は鈴木たろう!!

「ゼウスの選択」はときに理詰めの打ち手とは思えないような大胆さで、見る人々の度肝を抜く。天才たろうだからこそ自身の「理」と「選択」を信じ抜ける、まさに無邪気な神々の遊び。半荘勝負の条件戦で、その「理」と「選択」はさらに人々を驚かせるだろう。

北家は村上淳!!

理詰めと一言に言っても前者三人は攻撃的な打ち手、唯一この村上だけは守備的な打ち手だ。「実践」と「研究」、努力の人とも称される村上の培ってきた「理」。その爆発力と繊細な守備力は半荘勝負の条件戦でも当然脅威となるだろう。

ドリブンズの勉強会か、最高位戦のタイトル戦かといった面子。

その戦いの火ぶたが切って落とされた。

【園田の猛攻】

東場、先行したのは園田。

東1局2本場、朝倉の親番を3900は4500のアガリで躱し。

東2局、園田親番での配牌がこれ。ダブ【東】暗刻の超好配牌。

これが両面ですぐに聴牌、リーチから淀みなくツモで4000オール。

次局もよもや役満という配牌だったが、丁寧な打ち回しで堅実な2600は2700オールのツモアガリ。

躱しに長けた園田が大きなリードを取った。同卓者三人からすればこの半荘は一旦二着狙い、園田の躱しの恩恵を最大限受けられる立場になりたいところだ。

【村上・たろう、それぞれの理】

東2局2本場、先制聴牌は村上。二枚切れの【北】単騎か、一枚切れの【9ピン】単騎か、リーチかはたまたダマか……

村上の選択は【9ピン】待ちリーチ!!

河が派手で七対子も読まれやすいところだが、待ちが一点で絞られるわけではない。

ここは先制リーチで相手を降ろす恩恵を十分に受けつつ、枚数有利の待ちでアガリを狙った。

見事相手を回し打ちさせ、その間に狙いの【9ピン】をツモアガり。裏ドラこそ乗らなかったがこのルールでは大きな1600・3200+二本場のツモで二着目に浮上した。

東3局、このまま黙っていられないのはたろう。

【5マン】を残しておけばいわゆる5ブロックの形にも取れたが、あくまで678の三色での打点を見て【5マン】ツモ切り。

次巡引いてきたのは【9ピン】。手牌には必要のない牌だが……

たろうの選択は【5マン】

注目すべきは上家、親の村上の【3マン】手出し。ドラを手出しした後の【3マン】切りなので当然手牌に関連する牌。赤がないこのルール、ドラを切った親の高いダマテンに放銃するケースが薄いことを考え、ここは今のうちにマンズを処理しようという考えだ。

処理するなら【6ソウ】【8ソウ】のカンチャンを切って両面三つに受ける手もあるが、そうなるとこの手は最高でメンタンピンまでにしかならない。手牌の価値を打点に定めて、678の三色だけは逃さない手組とした。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀戦術シリーズ 新刊情報/