生まれ変わっても戦いの場に 二階堂亜樹 不調の中でもぎとった1勝【Mリーグ2022-23観戦記11/15】担当記者:ZERO / 沖中祐也

リーチ・ツモ・ピンフ・裏1
トップへ向けての足がかりとする。

南1局、役牌を仕掛けた南家の村上。

上家の切った【6ソウ】をスルーしている。
雀頭もなく不安定な形なので、手を短くしたくないという判断。

これが上手く進み…

リーチと仕掛けに挟まれた日向から【中】・ドラ2・赤の8000のアガリ。

これで亜樹をかわしトップ目に浮上。

初トップは村上か亜樹か、それとも。

流局を挟んだ南3局が雌雄を決した1局となる。
親番の亜樹の手が止まる。

【8マン】をツモってチートイツのイーシャンテン。
ただ【1ピン】の対子を切ってドラ【4マン】を使ったタンヤオに向かう手も有力だ。
その両方は終えない。

うかうかしていると

村上が今日イチの手牌でトップを確定させようと狙っている。
間違えられない状況で亜樹は…

 

【3マン】を切ってチートイツのイーシャンテンに構えた。
日向(下家)が二打目に【8マン】、小林(対面)が一打目に【9マン】を切っていて、【6マン】【7マン】が重なりやすいという狙いがあったと亜樹は語る。

【7ピン】をツモって打【6ピン】
チートイツだけでなく三暗刻のイーシャンテンにもなる。
2巡後、

狙いの【6マン】を重ねてテンパイ。【7ピン】を切って【7マン】タンキのヤミテン。
リーチにいきたいところだが、いくら良さそうと言っても1枚切れの37牌とあってはさすがに自信が持てないか。

しかし次に

【9ソウ】をツモるやいなや…

意を決してのリーチ!
【9ソウ】は山に1枚しかなかったが、その1枚が村上の手元へやってくる。

既にマンガンのリャンメンテンパイを入れていた村上からするとこのワンチャンスの【9ソウ】なんて止めようがない。

リーチ・一発・チートイツの9600!
このアガリが決定打となり、亜樹は初勝利を持ち帰った。

笑顔でインタビューに答える亜樹。

これまでに数多くの好調・不調を経験してきたが、麻雀にやれることは1つしかない。
折れず、キレず、腐らずに手牌と向き合うことだけだ。

それでも1人の人間として、低迷中の成績の中でもぎとった1勝は格別なものがあるのかもしれない。
亜樹の弾けるような笑顔を見て、そう思った。

これが浮上のきっかけになるか。

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