【東3局】は流局、【東4局】は自身の手でしっかり上がって局回しと、リードを維持したまま迎えた本田南場の親番。
事件は起こる。
【南1局】
本田の配牌は高いとも早いとも言えない手。
相対的には4巡目でこの形の魚谷がはるかにいい。ここは子供3人のうち、誰かが先制リーチを打てればトップ目の本田は無理出来ない局面だが……
焦れる。
焦れる。
焦れる!
子方三者に全くツモが効かない。誰一人として緩手を打ったわけではないが、結果として時間的猶予を生んでしまった。
怪物の……
お目覚めだ。
昨年の本田のみならず、この五年間の雷電のうっ憤を晴らすかのような、一発ツモ。
裏ドラも一枚のっけての6000オールは同卓者全員の点棒だけではなく、心をも摘み取っていく。
【南1局1本場】
本田は止まらない。この局も先制聴牌、役は七対子。ここはいったん黙テンに構えていい待ち探し。
本田から待ち変えリーチがかかるまでのわずかな時間、その隙間に瑞原が入り込む!
のリーチだ!
本田もここはぶつけていく!山に残り二枚の単騎を引いてのリーチだ!
勝敗は……
瑞原に軍配! さらなる加点を目論む本田の親番を流す、大きなアガリとなった!
心は摘まれども、三者ともその精神は折れず、決して最後まであきらめない。
ならば自身の手で終わらせるのみ。もはやラスボスと化した本田による局消化で、【南2局】は幕を閉じる。残すはあと二人。
【南3局】は親の瑞原が白鳥から7700の出アガリ。これで点差を詰めると……
【南3局1本場】は先制リーチ。聴牌連荘で親をつなぐ。
【南3局2本場】の配牌が……
半端ない! 配牌ドラカンツ!
まずはシンプルに打。初手カンもあるが他家に明確に警戒されてしまい、早仕掛けを受けて躱される可能性も生じてしまう。ホンイツが見える手でもあることから、なるべく引き付けてからカン、もしくは一枚リリースと行きたいところだ。
次巡、を引いて、さすがにどこのくっつきも逃し難いとカン! 新ドラは……
! 他家からは見えていないが、衝撃のドラ6!
嶺上からはを引き寄せ、盤石のイーシャンテン。との選択だが、ここはホンイツ変化よりも、河の強さ・やが薄くなったときにマンズの下でターツを作って振り替える保険として残した。
そして5巡目、淀みなくリーチ! 山に6枚の超大物手、ツモればこの一撃で本田を文句なく逆転。やはり瑞原が本田を止めるのかと思われたが……
違う!