真に最強たれ
最強位瀬戸熊直樹が欲する
次の頂点
文・後藤哲冶【金曜担当ライター】2022年12月16日
“最強戦二連覇”
TEAM雷電に所属する瀬戸熊直樹がつい先週打ち立てた偉業を、皆さんはご存知だろうか。
『最強戦』というタイトル戦を知らない方のために簡単な紹介をさせていただこうと思う。
最強戦とは1989年から行われている、「今一番麻雀が強い奴は誰だ」をコンセプトに、所属団体、プロアマを問わず1年をかけて予選を行い、年末に開かれるファイナルで最強位の座を決める歴史あるタイトル戦だ。
Mリーグに所属している選手も多く出場しており、最強位の座を手にするのは生半可な道のりではない。
その最強位の座に去年輝いた瀬戸熊は、今年も勢いそのままになんと連覇。
現行の大会形式になってからは連覇は初ということで、これだけで瀬戸熊が成し遂げたことがどれだけの偉業なのかということは分かっていただけたと思う。
そして今日、その瀬戸熊が2022最強位となってからの初の登板。
一試合目には絶好調の本田がトップをとったということもあり、気合は十分。
『最強』の名を再び得た瀬戸熊の対局に注目が集まる。
第2試合
東家 小林剛 (U-NEXT Pirates)
南家 多井隆晴 (渋谷ABEMAS)
西家 魚谷侑未 (セガサミーフェニックス)
北家 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)
まさに実力者揃いという言葉が相応しいメンバーが揃った第二試合。
東1局は小林と魚谷の2人テンパイで流局し、東1局1本場。
瀬戸熊が3巡目にドラのを引き入れてこの形。
ここから瀬戸熊が選んだのは
。2枚切れになっており、もう重なることのない牌。
であればと小林が第1打にを切っており、全体的に安いピンズの下であるの重なりを見た。
次巡にを引き入れてテンパイ。
多井がを切っていなければこのままリーチの選択肢まであったかもしれないが。
ここはを切ってダマテンに構える。
マンズ周りを引けば多面待ちが見えることが大きい。そしてダマテンに構えておけばよもやの……
このラスト1枚の引きにも対応できる!
高目一気通貫のテンパイは絶好。
迷いなくリーチに踏み切った。
安目でも出アガリ満貫、高目なら跳満という超ド級テンパイ。
ここで多井の安全牌が尽きる。
多井の視点を見てみよう。
はシャンポンに当たるケースが無く、のワンチャンス。
更には当たったとしてもドラがなので安目のケースが多い。
さしもの多井といえどもこのは止まらない。
瀬戸熊が多井から捉えた。
12000は大きな加点。
続く東2局。
役牌のを鳴いて先制テンパイを入れていた魚谷が、の加カン。
相手は全員メンゼンでカンをするのは怖いシーンだったが、自分のツモ回数を増やす意味でもここは強気の選択。
なかなか魚谷がアガれないまま小林にテンパイが入る。
待ちのテンパイ。
カンが入っていることもあり、小林がリーチに踏み込む。