放銃が見せた新しい姿 二階堂亜樹、戦ってつかんだ久しぶりの勝利【Mリーグ2022-23観戦記1/12】担当記者:東川亮

【赤5マン】を押したなら、【8ピン】だって押す。結果は寿人に満貫の放銃となったが、それは意志を伴った失点だった。

それでも、亜樹は亜樹らしく

この試合は、4者合わせて18回ものリーチがかかる、激しい打ち合いとなった。東3局は、3軒目のリーチに踏み込んだ内川が、山に数少ないアガリ牌を一発でツモってハネ満。

東4局1本場では、親の茅森がこちらも一発ツモで満貫

流局を2局挟んで迎えた南2局4本場は、2軒リーチに押し切った茅森が【南】【發】ホンイツ赤の満貫をツモ。亜樹のリードは、ツモによってジリジリと削られていく。

ただ、この局は亜樹に一つ選択があった。道中、チートイツのテンパイをしていたが、【4マン】を引いたところで撤退。リーチに全く通っておらず、さらに下家の内川がマンズの一色手模様で、切るほどの価値はないという判断。この辺りは、守備意識の高い亜樹らしい判断だった。

迎えた南3局は、【南】【白】と役牌2つにドラ【7ピン】がトイツという手をもらい、1巡目から【白】を仕掛ける。

【2ソウ】をポン、さらに【南】を自力で暗刻にしてテンパイ。

親番で打点の見える1シャンテンだった寿人から打ち出され、満貫の出アガリ。

リードを広げた亜樹が、久しぶりのトップで対局場を赤く染めた。

全16局中アガリが生まれたのが12局、その2/3に及ぶ8回のアガリが満貫以上という、非常に派手な打ち合いとなった一戦。そのなかで見せた亜樹の戦いからは、持ち前の守備意識の高さに加え、押すべき牌をしっかりと押す芯の強さが感じられた。

勝利者インタビューの最後には、YouTubeで約束したという「山ポーズ」を披露。ある意味で、Mリーグではこれまであまり見られなかった亜樹の一面が垣間見えた試合だった。

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