我が名は岡田紗佳【Mリーグ2021観戦記1/14】担当記者:越野智紀

我が名は岡田紗佳

文・越野智紀【金曜担当ライター】2022年1月14日

【第1試合】

東家:松ヶ瀬隆弥EX風林火山
南家:岡田紗佳KADOKAWAサクラナイツ
西家:高宮まりKONAMI麻雀格闘倶楽部
北家:瀬戸熊直樹TEAM RAIDEN / 雷電)

ひと月前に日向の初勝利の試合を見ながら、今シーズン唯一の未勝利選手となった岡田は

「私だけになったな」

そう笑いながら周りに話していました。

トップが取れずに終わるかもという不安を押し殺し、空気が重くならないような気づかい。

きっと強がりですが、それがいいです。

「私だけ」を「私も」に変えようと、初勝利を渇望して卓についた岡田でしたが

東2局の親番で松ヶ瀬に最後の【7マン】を一発でツモられてハネマンの親被り。

今シーズン何度も見てきた光景に「またか」といった表情が浮かび、そこからは苦行の再放送が開始。

まずは瀬戸熊が【赤5ピン】をツモって満貫

その次局に高宮も赤をツモっての満貫

松ヶ瀬→瀬戸熊→高宮と繋いだツモアガリの連鎖は岡田に移らず

順番は松ヶ瀬に戻って早いリーチを一発ツモ。

高目・赤・一発といったオプション付けての攻撃に、岡田の過去の12試合が一瞬フラッシュバックされかけましたが

周りの激しい攻撃の中、放銃ゼロで凌いでいた岡田にも遂に順番が回ってきました。

ここまでトップが取れない中でも明るく振る舞ってきた岡田と、それを暖かく見守ってきたサクラナイツの選手・スタッフ・ファン。

全員の優しさが形となって生まれたアガリ。

リーチ・ツモ・タンヤオ・三色・ドラ3の8,000オールです。

このアガリでトップ目に立った岡田は「チャンスが来た」と高まる緊張感に、何度も深く呼吸をして心を落ち着かせます。

次局、ピンフ・ドラ3をテンパイした岡田。

二番手の松ヶ瀬には親番が残っていないので、ここでの12,000はトップに充分足りると判断してダマテンを選択すると

【6ソウ】をツモアガリ、4,100オール。

初トップを引き寄せる決定打かに見えましたが、これで岡田の一人旅とならないのがMリーグの怖いところ。

二番手の松ヶ瀬がハネマンをアガって岡田の背後に迫ってきます。

そして南4局1本場。

ペン【7マン】と中を仕掛け、中ホンイツドラの満貫テンパイを入れていた松ヶ瀬は

【發】も仕掛けて【1マン】【4マン】に待ちが変化、【1マン】【4マン】は山に3枚残りと大ピンチの岡田。

表情も険しくなります。

テンパイの入っていた岡田は【7マン】が場に2枚見えていて【南】頼みの厳しい手でしたが

「押し通る!」

松ヶ瀬にアガリが出れば逆転されると、腹を括って勝負に出ました。

この【3マン】が切られたのを見て、それまで松ヶ瀬の手に集中していた瀬戸熊の眼に岡田も映りました。

このまま何も手を出さなければ松ヶ瀬か岡田のアガリで終わってしまうと、高宮が合わせた【3マン】を仕掛けて緊急参加。

その瀬戸熊の仕掛けを見ても、覚悟を決めた岡田は怯むことなく

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