小林剛 爆速 豪運 高火力【Mリーグ2022-23観戦記1/13】担当記者:東川亮

あの人にも、きっと・・・。

南3局も、小林が役牌から軽快に仕掛けて局流しに向かっていた。そこに、村上からタンヤオ赤赤のリーチがかかる。村上としては、チーム状況が苦しいだけに、トップは厳しくとも、少しでも順位を上げて試合を終えたい。

そこに対して、2番手の親番・白鳥が【2ソウ】ポンでホンイツのテンパイを入れていたが、ロン牌の【2マン】をつかんでしまう。

白鳥は、直前に切られてポンしなかった【5ソウ】を合わせた。白鳥の立場からすれば、村上に満貫、ハネ満でも打ち上げようものなら、現状の2位をキープするどころか、ラス落ちすら現実的になってしまう。トップとは3万点以上の差、それよりもラスのほうががはるかに近い状況が、白鳥に苦渋の受けを決断させた。

一方で、小林としては村上に満貫ハネ満を放銃したところで、最終局の親が自分である以上、トップを確定させるに足るリードはある。そもそもオリられる牌もないので、テンパイ維持で白鳥の止めた【2マン】をツモ切り。

村上が8000のアガリ。白鳥の親が流れ、試合の焦点は2位以下の順位争いへと絞られた。

なんとも言えない表情の村上は、ハネ満ツモで2位浮上。

手の内はドラ3、リーチしてツモ、あと1翻をどこで作るかがポイントだ。

白鳥はアガリさえすれば2位で試合を終えられるものの、リーチをしてしまうと村上の条件が満貫ツモに軽減される上、直撃チャンスを与えてしまう。役なしテンパイだが、リーチはかけられない。

そして村上もテンパイ。こちらはもう、真っすぐいくしかない。声高らかにリーチを宣言。待ち取りを【8マン】ではなく【6マン】にしたのは、国士無双模様の瀬戸熊の捨て牌に、上の三色の可能性も考慮したのだという。【6マン】は、山に全て残っていた。

放銃できない白鳥は、生牌【中】を切りきれず、村上の手出し【6ソウ】→ツモ切り【6ソウ】を頼りに【7ソウ】暗刻落とし。

小林が仕掛けてテンパイし、さらにアガリに行こうとしたが、ここは村上がツモ。明暗分かれる裏ドラは・・・

【5ピン】。1枚乗って3000-6000となり、白鳥を逆転して2位で試合を終えた。

爆速で終わったこの試合で、小林は幸運に恵まれた。ただ、それを生かすのはやはり、相応の技術があってこそだ。リーチ判断や仕掛け出しなど、この日の小林も、安定感は抜群、そこに打点もついてくれば、怖い物はない。今シーズンは苦戦が続いたが、これで個人成績もプラスに。

シーズンが後半戦に差し掛かるなかで、パイレーツの躍進にはやはり、船長の活躍が必要不可欠である。

 

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