高宮は考えた。
アガればトップだ。役がないので、リーチにはいくはず。
焦点は待ち取りだ。
高宮は、
待ちでリーチだ!
は6枚残りで待ちより枚数が多いことと、を切る方が安全であることが理由だろう。
ヤミテンの勝又、リーチの瀬戸熊、追っかけリーチの高宮。
三人のめくり合いだ。
まずは勝又、
違う。
ツモったを河へ並べる。
続く瀬戸熊は、
持ってきた牌を──
巻き込むようにツモりあげた!!
渾身のトルネードツモ。卓上に踊る。
リーチ一発ツモ赤ドラ。2100-4100のツモアガリ。
トップ目の親番、勝又との点差は12700点。アガリで詰まる点差は12400点。
そこに、
高宮のリーチ棒が加わったため…
瀬戸熊がトップ! なんと4着目からの大逆転だ!!!
「ラスじゃん」と思っていた方も多いだろう。
実に劇的なオーラスだった。
筆者としては、あれだけ悪い配牌をもらった瀬戸熊と高宮がリーチ合戦を繰り広げた一方で、好配牌からイーシャンテン一番乗りを果たした魚谷が勝負に参加出来ないという、麻雀の残酷な面を感じた一局でもあった。
インタビューでは、
「途中ミスショットもあった」と謙虚に話す瀬戸熊。
それでも、「チームメイト萩原からのお守りと、ファンの方の応援のおかげで取れたトップだ」という旨を語っていた。
このポーズの前に「久しぶり」という言葉が出ていたが、実に10月13日以来のトップ。
画面からも喜びが溢れ出ていた。
勝負は後半戦に突入。各チームの思惑が混ざり合う中、セミファイナル、そしてファイナルを目指す雷電は、
この勝利でプラス域に復帰。
ポイント面、そして暴君復活という面でも、この瀬戸熊のトップはTEAM雷電にとって大きな大きな一勝であった。