8局の電撃戦を数字で語る 止まらない本田朋広のポジティブループ【Mリーグ2022-23観戦記1/31】担当記者:ZERO / 沖中祐也

本田はリーチとしゃれこんだ。
ドラなし・赤なし・役なしのなしなし尽くしである。
おそらく雷電の他の3人でこれをリーチにいく人はいないだろう。

「本田は雷電の呪縛から解き放たれた」

よく言われるフレーズだが、本田はこういった解釈を嫌う。
全員がそれぞれ自分の麻雀を打つべきであり、これまでに打ち方に関して何らかの制約を設けられたことは一度もない。どれだけ苦しんでいようと、ずっと温かく送り出し続けてくれたチームのメンバーとファンに感謝してもしきれないという。

ツモるモーションだけで見ても、今年はいかにもツモりそうな躍動を感じる。
おそらく… だが、結果が出ていることの自信の表れ、そしてチームとファンに恩返しできていることが、何より嬉しいんだろう。

「今日もいけそうだな」

 

本田は、この1人テンパイにたしかな手応えを感じたという。

好調→積極的な選択を取る→良い結果が出る
というポジティブループに入っており、次に壁に当たったときが真価の問われるときだと思っていたがなかなかどうして壁に当たらない。そのままシーズンを駆け抜けていきそうな勢いすら感じる。

東4局

軽快に仕掛けての1000/2000は1100/2100をツモり、自分で出したリーチ棒を回収した。

舞台は南場へと突入するも、小場の流れは変わらない。
南1局、「エレクトリックバナナ」こと松ヶ瀬が

イーペーコー赤1の2600をロンアガリ。
これも縦長の展開だったらリーチを打っていただろう。小場が小場を呼ぶ典型のような一局である。
なお、エレクトリックバナナとはよくわからないが

松ヶ瀬の髪の色のことらしい。
南2局も松ヶ瀬のリーチに対し、親の堀が追っかけるも

いかにもツモりそうなオーラ選手権1位の松ヶ瀬が

ヒュッ!

バシッ! とツモって700/1300。
南3局、日向のリーチに再び堀が追っかけ…

今度は一発で捉えての8000点のアガリ。
本日初の満貫以上のアガリである。

ラスを引かない女として注目を浴びていた日向も撃沈。
個人タイトルよりもチームが苦しい状況だけにラスは引きたくなかったはずだが、これで肩の荷が1つ下りたのではないか。

スピード感を増していきながら迎えたオーラス、三つ巴の争いの中

 

本田が電光石火の仕掛けを入れて、ダブ【南】のみの700/1300でトップをもぎとった。
この700/1300と1000/2000の2回しかアガっていないので、本田が語るように東3局のドラなしシャンポン待ちでリーチにいき1人テンパイをとったのが勝因と言えるのかもしれない。

3着→4着ときて、ようやく壁に当たるのか? と思われたが、彼は何事もなかったかのように乗り越えていった。
ホンダという最高のエンジンを積んでいる、雷電の未来は明るい。

オマケトーク

展開が速かったので観戦記もあっという間に書き終えてしまった。
というわけで、本日本田の次に主役にしようと考えていた松嶋桃さんの名実況を紹介しよう。

松嶋「松ヶ瀬が… トイツが増えましたね」
藤崎「進んでいるのか進んでいないのか微妙な形ですけど、松ヶ瀬さん得意ですよね、ああいう形を捌いていくのが」
松嶋「魚を捌くのも得意ですが、牌を捌くのも得意ですよね、松ヶ瀬は」
松嶋「鮭を捌いて、中から筋子をとりだして、いくらバラして作るんですよ?」
藤崎「悪役目指しますっていう人は、あまり魚捌かないと思うんですけどねぇ」
松嶋「そうなんですよ、いい人がバレちゃってますよね」

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