雷電は攻めて勝つ! 暴君・瀬戸熊直樹が掲げた反撃の狼煙【Mリーグ2022-23観戦記2/20】担当記者:江崎しんのすけ

ピンズの染め手だった。
3巡目の【1ピン】が読みのピントを外す一打となっており、早いテンパイが入ればすんなり当たり牌が出た可能性もあるが、ツモに恵まれず瀬戸熊の猛攻を食らう。

リーチを受けた直後、【3ピン】【6ピン】【9ピン】【4ピン】の4面張でテンパイを入れる。
2人の待ちはそれぞれ4枚ずつ山に生きていた。

結果は流局。
お互い最終形まで作り上げた美しい1局となったが、決着はつかず南場へと入る。

加点のチャンスをものにできなかった瀬戸熊だが、決定打はその直後だった。

南1局1本場、親番の白鳥が仕掛けを入れテンパイする。

【東】【發】・対々和の満貫、ツモれば三暗刻がつき跳満になる超大物手だ。
瀬戸熊とほぼ並びなので、この手をアガれば断トツになる。

同巡、瀬戸熊もテンパイを入れる。
しかしドラ無し・役無しの【3ピン】【6ピン】待ち。
親番の白鳥の仕掛けが高そうで、前に出るのは勇気がいるが…

今日の瀬戸熊は攻めを貫く!
【3ピン】【6ピン】待ちでリーチをかけ、白鳥の勝負手を潰しにいく。

その直後、白鳥が掴んだのは【6ピン】だった。
対々和になる前まではアガり牌だった【6ピン】も、待ち変えした今ではただの不要牌。静かに河に置かれた【6ピン】にロンの声がかかる。

決まり手は寄り切り。リーチ・一発、裏が乗って5,200点の出アガリ。
2着目の白鳥からの直撃で瀬戸熊は頭1つ抜けたトップ目に。

その後、逆転を許すことなく終局。
瀬戸熊の個人連勝にて幕を閉じた。

今回の試合で、手痛い放銃により3着となった魚谷。
恵まれない展開が続いたが、オーラスの着順浮上が非常に見事だった。

7巡目、役なし赤・赤のカン【4マン】待ちでテンパイする。

魚谷は打【白】のテンパイ取らずを選択。
3着目の白鳥までは5,400点差なので、リーチをかけツモれば逆転することができるが、跳満ツモで2着まで浮上できるため大きく着順浮上を狙う。【4マン】をツモっても、【2ソウ】【5ソウ】【8ソウ】【7ソウ】待ちの跳満リーチをかけることができる。

直後、上家から2枚目の【4マン】が打たれる。

魚谷はなんとこれをスルー。
そして4巡後に【7ソウ】を引きタンヤオ・赤・赤のカン【4マン】待ちのテンパイを取る。

喉から手が出るほど欲しいこの【4マン】を、どれだけの人がスルーできるだろうか。
【4マン】を鳴けば、ドラの【2ソウ】でアガるか【5ピン】を引き345の3色になれば3着に浮上することができる。そして鳴けばかなりアガれそうだが、鳴かなければそもそもアガれるかもわからない。

しかし魚谷は2着に照準を定めた。

この強気な選択が、ここまで牌の気まぐれに苦しめられた魚谷に、最後だけ良い結果をもたらす。

直後、3着目白鳥の手から【4マン】が出る形になってしまう。

瀬戸熊・松ヶ瀬の現物のため、さほどケアされず放たれた【4マン】がテンパイ気配の無かった魚谷に直撃。

5,400点差を5,200点の直撃で見事逆転し、なんとか3着を持ち帰ることに成功した。

後半戦に入ってから混沌としてきたボーダー争いには、下位チームの粘りによって、更なる盛り上がりを見せていると言っても過言ではない。

残り17試合。
徐々に濃度が上がり、運命の日が近づいてきている。

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