完全安牌がないため、何かを勝負しなければならない。
こうなった以上、自身のアガりを見てまっすぐ進めるだけだ。
寿人の河にが早々と切られているため、やが残っているケースが減り、無筋の中では比較的通しやすい部類のため、先にから勝負する。
その次巡は。
そしてをチーしてドラ跨ぎのも勝負!
・・の変則3面張でテンパイを入れる。
勝負に出ることができる最終形にたどり着くことができた。
本田がMVPをとれるかどうか、あとは牌山次第だ。
寿人の待ちは山に5枚も残っていた。
対して本田の待ちは山に3枚。寿人が有利だったが…
寿人の待ちは、次々と吸収されていった。
5枚あったは残り1枚となり、対して本田の待ちはまだ3枚残ってる。残りツモ番を1回残して、形勢は完全に逆転していた。
本田は最後のツモにかける。
16枚中3枚がアガり牌なので約5分の1でMVPに大きく近く。
本田の右腕に、力が込められる。
結果はあまりにも無情だった。
本田の手に舞い降りたのは最後の。
手牌全てが通っておらず、ダブルワンチャンスのが放たれる。
開かれた裏ドラに思わず息を呑んだ。
なんと裏ドラが3枚乗り、12,000点の放銃となってしまう。
あと一歩。ほんのちょっとで掴みとれるはずだったトップがするりと抜け落ち、本田は3着に転落する。
連荘を1回挟み南4局2本場、2着と5100点差の3着なので2着浮上を狙いたい。2着になれば伊達・瑞原とほぼ並びになり2回戦は純粋は着順勝負となる。
から果敢にポンしてダブ・の後付けを狙う。
しかし、悲劇がさらに本田を襲う。
直後ラス目の近藤がリーチをかける。
本田が寿人に12,000点を振り込んだことにより、近藤にも着順浮上の条件ができてしまったのだ。待ちはでだと三色が完成する。
数巡後、本田の手にまたしても当たり牌が引き込まれていた。
よりにもよって高目ので近藤に放銃。
12,000点の放銃となり、本田は4着で試合終了となった。
本田は2戦目も登板しMVP候補2人相手にトップを勝ち取るが、惜しくも素点が足りず個人成績は暫定2位でレギュラーシーズンを終えることとなった。
1位の座を守った伊達とは約14pt差なので、オーラスの攻防が違った結果ならばもしかすると本田がMVPになれる未来もあったかもしれない。
しかし結果はどうあれ、今日も本田は果敢に攻め込み、自身の力によって栄光を掴もうとしていた。その闘牌に後悔は無いだろう。
-1200からの下剋上は、まだまだ序章に過ぎない。
本田の、雷電の挑戦はこれからも続いていく。
日本プロ麻雀連盟所属プロ。株式会社AllRuns代表取締役社長。業界を様々なやり方で盛り上げていくために日々奮闘中。Mリーグ観戦記ライター2年目。常に前のめりな執筆を心がけています(怒られない範囲で)。Twitterをフォローしてもらえると励みになります。
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