至極の勝負、究極の涙【Mリーグ2022-23セミファイナル観戦記4/27】担当記者:ゆうせー

押し切った白鳥が、激戦を制した。

6位サクラナイツには非常に厳しい結果となった。

卓上を見る白鳥。

しばしの間の後、

白鳥は眉間に手をやり、

余熱が残る会場から、

一礼して去っていった。

4着となった堀。

レギュラーシーズンをはじめとして、ラスを引いたインタビューでは決まって、

「悲しいです」

から始まり、飄々と面白おかしく愚痴を語るのが恒例となっていた。

その横で、


笑っている白鳥がいたときもあった。

しかし、今日のインタビューは違った。

チームへ、そしてファンへの責任を感じ、肩を落とす堀。

ここまで暗い表情は見たことがない。

そして、次に出てきた白鳥は、

泣いていた。

白鳥翔は人の気持ちが良く分かる「感受性」の強い人間だ。

今までにない堀の姿を見て、

また、今日の対局を思い出して、

そして、前回の試合で、

リーチを受けたあとに、アガリを拒否してまでトップを取りにいった堀の闘牌が脳裏に浮かんで、

「どんなにもがいても4着を引いてしまう勝負の厳しさ」や「堀が背負った深い悲しみ」を、同じ空間にいて否応なく感じ取ってしまったのではないだろうか。

同じMリーガーだからこそ分かる、

大事な試合でトップを取った喜び。

大事な試合でラスを引いた絶望感。

Mリーグにかける強い想い。

襲ってくるプレッシャー。

混ざりあった様々な感情が押し寄せて、白鳥は溢れ出る涙をおさえることが出来なかったのではないだろうか。

今日のインタビューで流した涙は、決して同情からではないだろう。

なぜなら元来、白鳥は勝負に厳しい選手だからだ。

それは、

昨年Piratesがセミファイナルで敗退し、選手の入れ替えが決まった日のこのツイートが物語っている。

解説の藤崎は涙の理由を聞かれて、

「ホッとしたから」「まだ泣くのは早い」と言っていたが、これは番組のシステム上、本インタビューのはじめの方を聞くことが出来なかったから生じた誤解ではないかと考える。

藤崎は裏インタビューをしていたので、話の流れを掴みかねても致し方ない。振られた話題に対して即座に思いを答えたのであって、ここで「それは厳しすぎるだろ!」と藤崎を責めることは出来ないように思う。

普段も違う視点からの話をプラスしてくれることの多い藤崎。(一つだけお願いだが、「ただ…」から始まる繋ぎをもう少し減らしてくれるとありがたいと思う。話の流れが変わることが多いと、聞く側は思考を切り替える回数が多くなって大変である。数回だけでも、「そうですね、それもありますし、」と受けながら進めてくれるだけでもありがたく感じる。)
だが、これは「異なった切り口の話をしよう」として出た発言ではないだろう。

特にセミファイナルに入ってから、藤崎はますます丁寧かつ視野の広い解説を届けて我々を楽しませてくれている。また次の解説にも期待したい。

あくまでもイチ視聴者の意見だが、色々と感じることの多いインタビューだったので、この場を借りて色々と思うままに書かせてもらった。

全選手、死力を尽くすセミファイナル。

シャーレを争うファイナルへと進める4チームが決まるのは、5/4日(木)。

選手も視聴者も「情緒が忙しい」、そんな一週間になりそうだ。

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