包囲網を破るため、選ばれた新戦力【Mリーグ2022-23セミファイナル観戦記5／2】担当記者：越野智紀

次局は勝又選手の先切りがファインプレーとなり、その結果

先にを鳴けていれば間に合っていたが捕まってしまい、優選手はさらに劣勢を強いられることになりました。

その後も勝又選手の攻撃の前に反撃の糸口が掴めなかった優選手は

南２局の親番でドラドラ赤の手が入り、形式テンパイに向かわずアガリを目指して一発勝負に出るも

そこからツモが利かず鳴ける牌も出ず、リャンシャンテンのまま流局で終了。

この試合を４着で終えたPiratesはファイナル進出が極めて厳しい状況で、最終日の試合の結果
を待つことになりました。

戦闘民族の優選手を抑え込み完勝劇を見せた勝又選手。
その優勢に進めた試合の中で最も話題になった打牌が

２軒リーチに挟まれた時に、両方に通っている２枚見えのを切らずに選ばれたです。
試合後のインタビューでこの局の話を聞かれると

「降り打ちしちゃって情けないです。」と返答していましたが

この時の萩原選手の手がリーチ・ダブ・ホンイツ・ドラ３で高めのツモれば三暗刻という、もしアガられていればトップを脅かされていた超大物手。
勝又選手の切ったは萩原選手には現物で、とが４枚見えていて寿人選手にロンをされても三色にも一気通貫にも関連せず安くすみそうな牌。
この鮮やかなプレーは差し込みだったのでは？と、見ていた人をざわつかせました。

ただ勝又選手は麻雀の話で一切嘘をつかないタイプの人間です。
失敗した時には誤魔化さずに失敗したと言うスタイルなので、このプレーに関しては本当に見落としていたと思われます。

リーチを受けた勝又選手は今なら切れるを残して先にを切っていたりと、この局に関しては最適な緊張感で打てていなかった可能性も高そうです。

「麻雀って一番大事なのは結果だからね。内容じゃないからね。」

と、素直に勝負所でのトップという結果を喜んだ勝又選手。
これにより風林火山はファイナル進出の一枠をほぼ手中に収めました。

リーチを多めに打てばPiratesとのポイント差が気になる２チームは押しづらいだろうという、条件戦に強い勝又選手が事前に準備していた作戦に対し

「勝又さんのリーチに向かっていったのは、残り３戦あったのであそこで引いてるようじゃ勝ち上がりが厳しいかと思って押しました」と、真っ向勝負で無筋と我を通し続けた寿人選手。
攻めの姿勢を崩さずに２着を獲得して麻雀格闘倶楽部はPiratesと93.9ポイント差をつけることに成功し、残り２試合で２ラスさえ引かなければほぼファイナル進出という有利な状況を築けました。

Piratesを抑えることが至上命題だった雷電は

一戦目オーラスの瀬戸熊選手が響かせた雷鳴に

心を突き動かされた萩原選手が出場。
自身に託された任務を遂行し、アガリ０回放銃１回の我慢の麻雀で目標をクリアしました。

良いバトンを渡してくれた瀬戸熊選手や二戦目を託してくれた監督チームメイトに感謝と、その期待に応えられた安心感から

「ほっとしています。」と安堵の表情を浮かべた萩原選手。
いつも応援してくれている雷電ユニバースに話題が移ると

「まだ泣くのは早いからな！ まだ泣くな！ …ただファイナルにみんなと出る喜びは噛みしめながらね… もうちょっと待ってね、みんな。」と、日頃の感謝をのべながらも真の恩返しはこの先にあると

チーム初のファイナル進出の喜びを一気に発散せず、もっと大きな贈り物をするためのエネルギーとして体の中にその稲妻を蓄えました。