己の力で這い上がれ！　キレッキレの浅井裕介が目指す過酷なトーナメントの頂Mトーナメント2023/7/15 FINALステージ A卓】担当記者：徳岡明信

日向と1着順と9000点差をつける事(トップは無条件でOK)だ。
日向より上の着順で終わる事が絶対条件の中、ストレートに攻めていく。

この石立の攻めに日向もただただ耐えるだけでは勝てない。

魂のメンホンチートイツでぶつけにいく。
しかしは石立の待ちとかぶっており、残り１枚は浅井の手の中に収納されている。

石立が負け無しの戦いを制する。
おまけに日向からの直撃となると2600は2900点とはいえ、かなり大きなものとなった。

この後、順調に石立が加点して浅井とほぼ並びまで近づいた東4局。
各者この日一番の勝負所がやって来る。

浅井が6巡目にこのテンパイ。
ここでの6400点の加点はあまりにも大きすぎる。
親の日向の現物待ちで静かに息を潜める。

日向もこの親番は稼げるだけ稼ぎたい勝負所だ。
のポンから発進していく。

ここまで非常に苦しい展開の松ヶ瀬にもようやく大チャンス手が入る。
浮上のきっかけとなる一撃を決められるか。

ドラのを重ねての満貫テンパイは石立。
石立もこの手を決めると一旦トップ目に立つことが出来て、日向を大きく突き放すこととなる。

浅井のの暗カンにより新ドラが２枚乗った日向。
自身でポンしているを果敢に加カンしてアガりに向かっていざ行かん。

新ドラはとなり、今度は石立に２枚乗った。
(石立のフーロに１枚が組み込まれている)
石立はこれでタンヤオ・赤・ドラ4の跳満の手まで成長した。

その間に松ヶ瀬にも待望のテンパイが入る。
このシャンポンが何と山に３枚生きている。
裏ドラ次第では3倍満まで見えるこの手、是が非でもツモりたい。

浅井も押す。
松ヶ瀬には現物だが、日向と石立には通っていない元ドラのを押してテンパイをキープする。
カン待ちに自信がありまだアガれる見込みがあり、局消化が何よりも偉いこの状況。
踏み込むにはもってこいの局面だ。

「え、浅井さん何事なんすかマジで…」

浅井の押しに石立の顔も歪んだ。
一番大人しくしていてもよい立場の人間が一番押しているのだ。
まさに異常事態。

結果は石立が松ヶ瀬から12000点のアガリ。
バラバラの立場にいる全員の勝ちたい気持ちが一致してぶつかり合うこの試合一番の印象に残った一局となった。

この後は浅井が盤石の局消化が続く。

局消化にはもってこいの三メンチャンピンフをサクッとアガった後は、

ひょっこりと単騎をツモアガり、いよいよ勝負はオーラスへ。
この日向の親さえキックできれば、頂点へとまた1つ駆け上がる事が出来る。

もちろん日向にも意地がある、簡単に敗退してたまるものか。
1500点での連荘を挟み、南4局1本場には誰も歯向かう事の出来ぬ親リーチを打つ事が出来た。

はザクザクと山に眠っている。
ここでの4000オールは一転して勝負の行方が分からなくなる。