醍醐の思いをのせ、牌が横に曲がった。
サウナは体の表面だけでなく、芯から熱くなる。
まさしくこのリーチは、醍醐の芯から燃える炎が見えるようだった。
だが結果は
最後のツモで掴んだが
(それだ… 新入り!)
(お前も2年目じゃん)
というやりとりがあったかどうかは知らないが、8000の放銃というホロ苦デビューとなった。
東2局 スリム化の是非
3軒リーチを先制した仲林を追いかけたのが
初年度からのオリジナルメンバー、園田である。
(ツモってきた牌はです)
園田はここからあっさりとを切った。
これも「スリム化」である。
単純に3人がピンズを切っていてがよく見えるという理由もあるが、他にも理由がある。
まずはにうまくくっついたところでリーチのみであること。
そしてこの手牌には345の三色が見える。というターツは場況がよいだけではなく、345の変化を永続的に待てる優秀なターツなのだ。
狙い通り345の三色に仕上げて渋川から5200のアガリ。
仲林を追撃する。
この局に醍醐の全ての選択の中で、唯一気になった打牌があった。
ここからを残しを切ったのだ。
もも全員の危険牌。をツモってリーチしたときにを先に切っておくことでが出やすくなる。というのが醍醐の思考だとは思うが、過剰なスリム化に感じる人が多いのではないか。
これが「醍醐さんの麻雀は変」と言われる所以だろう。
もしかしたら醍醐独特の読みがあったのかもしれないが(が持たれていそうとか)一発放銃のケアが重要な赤なし麻雀の選択に寄りすぎている、という選択にも感じる。
ピンズが3面張だからこそツモが激痛になるだけではなく、ツモのリャンメン変化もある。
醍醐スリム化がどうでるか、今後も楽しみなところだ。
その後、待望の
初アガリを決め戦線復帰。
南2局 冷静と情熱の狭間に
混戦となった南場でのこと。
サウナとはあの熱いサウナ室のことを指すと思っている人が大半だが、実は違う。
「この世で一番気持ちいいのは水風呂」
と醍醐は語るし、私も同意見である。
サウナはサウナ→水風呂→外気浴が揃って1セットであり、サウナ室は焼肉で言うところの肉を焼いただけにすぎない。それで言うと水風呂は焼いた肉を食べるところであり、外気浴は水(またはビール)で流し込むところである。
つまり焼肉では肉を食べるのが主役であるのと同じで、サウナは水風呂が主役なのだ。
麻雀も同様である。
サウナ室のような情熱と、水風呂のような冷静さを合わせ持たないと勝ち切ることが難しい。
4巡目、醍醐が仕掛ける。
「このをポンしないとほぼアガれない」
と語る醍醐。そしてポンした切ったドラのに実況も解説も驚いた。
が重なればトイトイになり、最高で倍満まであるからだ。
いや、そのたった1種類の薄い確率を追うよりも、先に切って場をクリアにする。
鳴かれるにせよ鳴かれないにせよ、対応しやすい。
この手はかわし手。水風呂モードだ。
それにを残さずともトイトイは狙える。
2巡後、水風呂モードの醍醐がツモってきたのが
ポンをしているだった。
これを加カンした醍醐は
「ここで新ドラが乗るかどうかで押し引きの選択がしやすくなる」
と語る。