初めましてMリーグ 私は特攻シンデレラ・浅見真紀【Mリーグ2023-24観戦記 9/26】担当記者 ZERO / 沖中祐也

大きな果実を手にした。
2900とリーチ棒２本の大きなアガリ。

「守備を忘れた特攻シンデレラ」は随分昔に付けられたものだ。

今ではただ「えいやっ」と押すわけではなく、しっかりとリスクとリターンを精査した上で押しているので、決して守備を忘れたわけではない。だからタイトルもあえて守備を忘れたを取った。

Mリーグで活躍し、他に良い二つ名がつくとよいなと思う。

１本場では

1000は1100オールと加速。

この日、唯一疑問だったのが２本場。

この手牌で→と切っていった場面。
浅見の狙いはもちろんを使ってのホンイツや清一色だと思うが、すでにドラドラあって打点十分。
ややターツの足りていないホンイツ・清一色よりも数牌をかき集めてのリーチ手順が早いように感じる。やを切ってしまうと、もうマンズの中張牌をもツモ切っていくことになる。
さきほどの→落とし構想も相まって、少しホンイツ意識が強すぎるのかなと感じた。

ここらへんを今後どう修正していくのかにも注目したい。

この局は高宮が白鳥から8000は8600のアガリ。

こうして迎えた南１局だった。

をツモって絶好のチャンス手だが、またしても中田からの親リーチが入っている。

浅見はを押した。
とが３枚ずつ見えており、かなり切りやすい部類だと思うが、それでもロンと言われることはある。

さらに

をツモって絶好のテンパイ！

切る牌は両無筋（・共に通っていない）の。
6400あるし待ち牌のは今現物になったばかりなのでダマテン。
それはもうとっくに決まっているはずだが、それでも浅見は手拍子で切らず、しっかり自分を言い聞かせていた。

これまでにこので18000と言われ、ラスを引いたことは何度でもあった。
でもやはりこの手牌ではを切るよりないよね。

あとは結果を受け入れる覚悟。

いつしか私は、普段ユーモアに満ち溢れているはずの浅見の真剣なまなざしに惹き込まれていた。

麻雀って基本ツラいことばかりだ。
だからこそ楽しまなきゃ損じゃない。

出産の苦労を笑い話に変えるくらいのユーモアは、真剣に生きていることの裏返し。

「ロン、6400」

こうして浅見の手牌は前に倒れた。
この6400が決定打となり、浅見はドリブンズにトップを持ち帰ったのだ。

浅見の押し寄りの麻雀は、トップを量産する予感がする。
手拍子で打つこともなく、うっかりミスも少ないはずだ。

同じく新規加入した渡辺太とともに、ドリブンズを、そしてMリーグを席巻するに違いない。

初めましてMリーグ。
私が特攻シンデレラ、浅見真紀。