朗報 今期はマクラーレン卒業? 逆襲の園田賢、 もう「なんなん」とは言わせない!【Mリーグ2023-24観戦記 9/28】担当記者 #後藤哲冶

この【2マン】をツモった時、いつもの亜樹よりもツモる動作に力が入っていたように思う。
風林火山は苦しい戦いを強いられている。
私がチームにトップを持ち帰る。
その想いが強かったのかもしれない。

園田も追いすがる。
続く南2局4本場。ドラの【東】をポンして満貫のテンパイを入れていた園田が、渋川から8000点のアガリ。
まだトップは諦めない。
満貫圏内のまま、勝負はオーラスへと突入する。

オーラス、着順アップには満貫ツモか3900の直撃が必要な園田。
【1ピン】はイーシャンテンになる牌だが、ドラの【6ピン】が出ていくので不採用。
ひとつひとつを吟味しながら、園田が牌を選んでいく。

亜樹が役牌の【發】を仕掛けた。自分で終わらせに行くことを選択。
雀頭が無い形だが、役を確定させる発のポン。このままリャンメンが入ってもリーチしなければいけなくなるテンパイが多いこともあって、ここは仕掛けを選択。

園田がテンパイ……!
【4ピン】切っての【2ピン】【5ピン】ならば、ツモでも出アガリでも偶発役が絡めばトップが見えるため、【2ピン】【5ピン】待ちを選択。【赤5ピン】ならば無条件でトップだ。
園田が深く、息を吐いた。

「リーチ」
何度も何度も、最後の最後で手から零れ落ちたトップへ。麻雀を愛する男が手を伸ばした。

落とせない親番の渋川が南をポン。
【2ソウ】【5ソウ】待ちで勝負だ。少しでも良い結果を残すために、渋川も足掻く。

勝負の結果は――

捲られ続けた男に、幸運の赤い牌が訪れて。
園田の、逆転トップとなったのだった。

4位となった渋川は厳しい展開が続いた。裏を2枚乗せられてしまった18000もそうであるし、とにかくアガリまでが遠かった。
3位の東城は、随所に良い打牌が見て取れた。着順こそ3位であるが、内容はとても良かったのではないかなと思う。

2位に、亜樹。痛いトップ逃しとなったが、インタビューでの表情は晴れやかなものだった。
トップは欲しかったと思うが、内容には感触があったよう。
まだまだ序盤戦。頼れる風林火山の舞姫は、次こそトップを獲得してくれるだろう。

そしてトップに、園田賢
このインタビューに入る時の表情だけで、多くの人を笑顔にできるのは、もはや才能と呼んで差し支えないのかもしれない。

今年も、まさに立て板に水という表現がよく似合うこのインタビューを、たくさん見たいと願うファンは多いはずだ。

Mリーグでは、裏を3枚乗せたことがまだ無いということや、もはや芸術的とまで思える捲られが多発していることから、不運の象徴と思われがちな園田。
今年は、そのイメージを払拭して。
本来の力を十分に発揮し、大爆発のシーズンとなるかもしれない。そんな予兆すら感じさせてくれる内容だったように思う。

『マクラーレン』も『なんなん』も卒業して。
園田賢の逆襲が、今日から始まったのだ。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \ほぼ毎日4コマ最新⑤巻 好評発売中/