だが、十分に価値はある。
この日は他家の打点が高すぎたことで感覚がマヒしそうだが、3900は中打点だ。加点としてもありがたい。
また、このアガリをサボると、
好配牌だった、親番瑠美のアガリが炸裂していた可能性は非常に高い。
攻撃は最大の防御。
自分の早アガリで他家の手をつぶすのも、麻雀においては大事なことなのだ。
そして、東4局2本場も参戦していた。
8巡目に岡田は、
ここから即リーチとする。
変にこねない、このあたりの的確な判断も岡田の良さだ。
ところで岡田は、
自身の麻雀を振り返るときに、麻雀AI「NAGA」での検討を取り入れているそうだ。
試しにこの場面を、麻雀AI「NAGA」の解析にかけてみた。
すると、
こんな感じの結果が出た。
可愛いヘビの上にあるバーが、様々なタイプ別のリーチ推奨度だ。今、色付きで表示している万能型のニシキタイプは、「リーチ推奨」となっており、岡田の判断と合致しているのが分かる。ちなみに、牌の上にあるのは「これを切るのがいいかな」という何切る推奨度だ。
初めての方は見づらいかもしれないが、バーが出る欄の真ん中に引いてある線が、判断が五分五分になるライン、と考えていただきたい。
NAGAはラス回避ルールの設定だが、このラス目の点数状況で、ルールによってリーチ判断が覆るところまではいかないであろう。
愚形リーチに抵抗があったり、なんとかして高くしたいと考えたり、打ち手によってはダマにしてしまう、この牌姿。
しかし、巡目もそこそこ深く、仕掛けも入っている状況だ。少ない枚数の変化を待ったり、テンパイを、外したりする猶予はないだろう。
岡田は即座にリーチという判断をしていたが、この場面に表れているように、「今出来る限りの最善」をシンプルに追うことが出来るのが岡田のいいところだ。
それは、仲の良い堀をはじめとした、チームメイトとの研鑽に加え、こういったAIを取り入れた影響もあるように私は感じる。
ちなみに、一つ前のとの選択が難しかったのだが、そんなときにも、
AIがあると「どちらもありなんだな」ということが分かる。便利だし、とても面白い。
さて、この岡田のリーチはアガれずに流局となったが、
このようにやるべきことをやっていると、
たまに、ご褒美もやってくる!
南1局の親番で、リーチ一発ツモの4000オール!
これで一気に2着目に浮上。
このあとの岡田の手組みでは、「ホンイツ」がポイントとなった。
南1局1本場の3巡目、
岡田はここから、
打とする。
主な理由は3つ。
1つ目は「孤立字牌が多い」からだ。字牌は重なる枚数が少ないので、新たにブロックが作りにくい。
さらに、2つ目として「別色が使いやすい」からというのもある。はカンチャンとはいえ変化しやすく、また孤立のはドラ方向への伸びも期待できる。
そして3つ目は「親番」だからだ。連荘自体にも価値はある。
このように、岡田はあらゆる要素を考慮して、ホンイツだけに決め打ちせず、オタ風のを切って様々な可能性を残したのであろう。
次巡、
が重なった。ここは、
ホンイツに一気寄せだ!!
役牌が2つ重なったら、話はガラっと変わる。鳴いて作りやすいブロックが増えたうえ、役牌トイツが2組あるので、「役役+2ハン」での満貫を狙いたいところ。ホンイツはうってつけの手役。
このように、一打一打ギアの切り替えが効くのも岡田のいいところだ。
この局は、
リーチをかけた、たろうから、岡田がホンイツを出アガリ! 12000は12300の加点で、岡田はトップへと駆け上がる。