取って、入れて…【Mリーグ2023-24観戦記 9/28】担当記者 ゆうせー

だが、十分に価値はある。

この日は他家の打点が高すぎたことで感覚がマヒしそうだが、3900は中打点だ。加点としてもありがたい。

また、このアガリをサボると、

好配牌だった、親番瑠美のアガリが炸裂していた可能性は非常に高い。

攻撃は最大の防御。

自分の早アガリで他家の手をつぶすのも、麻雀においては大事なことなのだ。

そして、東4局2本場も参戦していた。

8巡目に岡田は、

ここから即リーチとする。

変にこねない、このあたりの的確な判断も岡田の良さだ。

ところで岡田は、

自身の麻雀を振り返るときに、麻雀AI「NAGA」での検討を取り入れているそうだ。

試しにこの場面を、麻雀AI「NAGA」の解析にかけてみた。

すると、

こんな感じの結果が出た。

可愛いヘビの上にあるバーが、様々なタイプ別のリーチ推奨度だ。今、色付きで表示している万能型のニシキタイプは、「リーチ推奨」となっており、岡田の判断と合致しているのが分かる。ちなみに、牌の上にあるのは「これを切るのがいいかな」という何切る推奨度だ。

初めての方は見づらいかもしれないが、バーが出る欄の真ん中に引いてある線が、判断が五分五分になるライン、と考えていただきたい。

NAGAはラス回避ルールの設定だが、このラス目の点数状況で、ルールによってリーチ判断が覆るところまではいかないであろう。

愚形リーチに抵抗があったり、なんとかして高くしたいと考えたり、打ち手によってはダマにしてしまう、この牌姿。

しかし、巡目もそこそこ深く、仕掛けも入っている状況だ。少ない枚数の変化を待ったり、テンパイを、外したりする猶予はないだろう。

岡田は即座にリーチという判断をしていたが、この場面に表れているように、「今出来る限りの最善」をシンプルに追うことが出来るのが岡田のいいところだ。

それは、仲の良い堀をはじめとした、チームメイトとの研鑽に加え、こういったAIを取り入れた影響もあるように私は感じる。

ちなみに、一つ前の【3ソウ】【7ソウ】の選択が難しかったのだが、そんなときにも、

AIがあると「どちらもありなんだな」ということが分かる。便利だし、とても面白い。

さて、この岡田のリーチはアガれずに流局となったが、

このようにやるべきことをやっていると、

たまに、ご褒美もやってくる!

南1局の親番で、リーチ一発ツモ【東】の4000オール!

これで一気に2着目に浮上。

このあとの岡田の手組みでは、「ホンイツ」がポイントとなった。

南1局1本場の3巡目、

岡田はここから、

【西】とする。

主な理由は3つ。

1つ目は「孤立字牌が多い」からだ。字牌は重なる枚数が少ないので、新たにブロックが作りにくい。

さらに、2つ目として「別色が使いやすい」からというのもある。【4マン】【6マン】はカンチャンとはいえ変化しやすく、また孤立の【6ソウ】はドラ方向への伸びも期待できる。

そして3つ目は「親番」だからだ。連荘自体にも価値はある。

このように、岡田はあらゆる要素を考慮して、ホンイツだけに決め打ちせず、オタ風の【西】を切って様々な可能性を残したのであろう。

次巡、

【南】が重なった。ここは、

ホンイツに一気寄せだ!!

役牌が2つ重なったら、話はガラっと変わる。鳴いて作りやすいブロックが増えたうえ、役牌トイツが2組あるので、「役役+2ハン」での満貫を狙いたいところ。ホンイツはうってつけの手役。

このように、一打一打ギアの切り替えが効くのも岡田のいいところだ。

この局は、

リーチをかけた、たろうから、岡田が【白】【中】ホンイツを出アガリ! 12000は12300の加点で、岡田はトップへと駆け上がる。

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