鳴き虫しょーちゃんの思考【Mリーグ2023-24観戦記 10/27】担当記者 小林正和

ドラも役牌もないトイトイ仕掛け。
それも残ったトイツはやと言った中張牌である。

フラットなら仕掛けなさそうだが、白鳥がツモ切る牌がトイツなら勝算ありと踏んでの鳴きであった。この臨機応変さも仲林の引き出しの一つである。

まさかの仲林も長男坊として参戦してきたこの局は白鳥の1,000オールとなったが、点数以上に見えない体力を奪われていったのは浅見であった。

（うちの子よりも何て手のかかる子たちなのだろう…）

そんな心の声が聞こえてきそうな展開であったが、畳み掛けるように次局も白鳥が動いていく。

東２局１本場

バックの仕掛け。
そして、この後ドラのを引き入れると場にが放たれる。

しかし今回は何事も無かったように自身のツモ牌に手を伸ばす白鳥。

白鳥
「このを仕掛けてしまうとが場に放たれづらくなり、アガリが遠のいてしまう。」

自身の振り返り配信でそう語ったように、相手の心理も読んでの鳴き判断も“ハイブリッド”であった。

そんな鳴き三兄弟に挟まれた浅見であったが更にグッと来たシーンが東３局

迎えた自身の親番中、本田に早くも２副露されるもリーチに辿り着く。

しかし無情にも本田から「ロン」の声が掛かった。
1,000点のドラ跨ぎ愚形待ち。
点数以上に浅見に追い討ちをかけた。

本田の強気の姿勢が見事に出た局であったが、対局舞台裏での“よく仕掛けられるよね”という問いかけに対しては

リトル本田
「怖いっすよ。ずっと浅見さんの口元見てリーチって言わないでって思ってましたし。」

と本田の中の小さな本田が素直な思いを語っていたのが印象的であった。

鳴き主体の戦いとなったこの試合。ファインプレーの仕掛けもあったので紹介しよう。

まずは東４局

本田のリーチと白鳥の鳴きに挟まれた仲林のチーに注目。

を仕掛けてテンパイ。
仕掛ける形はかの二パターンあるが仲林の選択は後者の方。

こうする事で次にを持ってきても現物のとスライド出来るのである。

また南１局では

リーチに踏み切っている白鳥のハイテイツモを阻止すべく、仲林はポン材を探しての打ち。それを本田がしっかり仕掛けて期待に応える。

ご覧の皆さんにとっても今日から実践できる良い題材であるので是非、参考にして頂きたい。

最高打点は東１局の4,000オールと中打点で局が進み、接戦で迎えたオーラス南４局

供託３本と３本場で300・500でもトップの白鳥。シャンテン数は変わらないがも鳴くつもりだったと思考を語ったがが鳴けてテンパイ。
９巡目には４枚目のが来るも、そのままツモ切りへ。

浅見へのマンガン直撃によるラスの可能性を避ける事が大きな理由の一つである。

そして浅見から・ホンイツを出アガリ、鳴きの応酬となった一戦を見事に制した。

インタビューでは

白鳥
「やっぱり僕はいっぱい仕掛けた方が向いてるなって。」

というコメントを残した白鳥。
振り返り配信でも、ここでは触れられなかった深い思考や相手の牌姿の読み方など検討しているのでオススメしたい。

そして一時は最下位まで沈んでいた昨年の覇者、渋谷ABEMAS。
序盤で早くも復活し２位まで浮上。独走するKONAMI麻雀格闘倶楽部を捉えるのか今後注目である。