道なき道をあくなき思考で切り開け 鈴木優の秘めたる切り札・大明槓【Mリーグ2023-24観戦記 12/1】担当記者 東川亮

アガれば2着、結果としては上出来。最後もしっかり条件を作った。仲間やクルーは彼の健闘をたたえるだろう。だが、この状況でもまだ、優は諦めていなかった。そしてもうひとつ、奥の手があった。そのビジョンは、配牌を手にしたときから思い描いていたという。

そのカギを、醍醐がツモ切った。優が声をかける。

「カン」

【北】の大明槓。新ドラが乗れば【白】ツモでの逆転トップのルートが開ける。もちろん、可能性は決して高くはない。だが、トライしなければゼロだ。Mリーグではあまり見られない大明槓こそ、優が最後に用意した秘策だった。

新ドラは【7ソウ】。1枚乗った。これで【白】をツモれば逆転。

岡田は下家の醍醐に対応しながらうまくテンパイを入れていたが、切りにくい【7マン】を引いてギブアップ。この局の結末を牌山に委ねた。

勝利へのルートは潰えたかに見えていた。しかし優は、次々と道が閉ざされていくなかで、それでも勝つための方法を考え抜いていた。それが彼のポリシーだからだ。

そうして手繰り寄せた牌を親指の腹で確かめると、見もせずに、優は試合の終わりを告げた。
それは、麻雀牌34種のなかで最も盲牌が容易な牌。
のっぺりとした、それでいて今は最高に心地良い感触。

手のなかにある【白】は、優の、U-NEXT Piratesの勝利への航路を、明るく照らしていた。

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