こうなる。
確かに、ニシキをはじめ、NAGAは「ダイレクト」を重く見る傾向にある。また、トップが偉いルールだと打点に寄せる価値は上がるので、これよりはやや打が有利になるだろう。
しかし、打有利の評価が覆るところまではいかないように思える。
この局は、白鳥の予想通り、伊達の早いリーチがかかり、
白鳥は、
裏目のを引いて撤退。
ここでテンパイしていたとして、リーチに一発でドラのを切るのはなかなかエネルギーが要る。を落として回っていた可能性も十分にあるが、
次に来た、
に思うところはあったかもしれない。
結果は伊達のツモアガリ。
しかし、この日の白鳥は焦らなかった。ブレなかった。
3連勝→4連ラスと、激しいアップダウンを経てこの試合に臨んでいる白鳥。
先日、とある人物にアドバイスをもらう機会があったらしい。
その人物とは、
以前サクラナイツに所属していた、沢崎だ。
「まだ中盤なんだから、焦ることないぞ」
そう沢崎は話していたそうだ。
大先輩からのアドバイスが五臓六腑にしみわたったのだろう。白鳥は試合前に、こう語っていたそうだ。
「俺はまだ『道の途中』なんだ。」
ヒーローのセリフである。
異世界へ転生しなくても、この世で、そしてこのMリーグで主役を張れる、主人公属性の持ち主、白鳥翔。
次の東4局1本場も落ち着いて、今までと変わらない打牌を見せる。
白鳥はここで、
打とする。
やはり「ダイレクトより変化」を追っていったのだった。
これは打も有力だ。なぜなら、ソウズの変化が多いからである。
ツモ16枚で好形変化。対してのロスはの4枚。
先に述べたように、好形になるのとテンパイするのとでは受け入れ枚数の質は違うが、それでもソウズ変化に期待が持てるのは枚数から見て取れる。
やを引いたら三色に取ればよく、また先に安目のを持ってきたらマンズを切ってのテンパイ外しコースも残る。
ちなみに、NAGAは、
ダイレクト重視でを推しているが、もアリという判断である。
マニアックな話にはなるが、今色付きで表示しているニシキタイプは、「ターツから1枚切ることをかなり嫌う」という特徴もあるので、そのあたりの補正も加えると、どちらもアリだと私は考える。
さて、この手は、
伸びていった!
タンヤオ三色赤のテンパイ。ダマに構えた白鳥。
「ツモれーーーーーーー!!!!!」
と叫ぶ実況席と、全国のABEMASファン。
その声が、
届いた!!
ツモタンヤオ三色赤ドラ、3100-6100のツモアガリで白鳥はトップ目まで昇っていった。
このまま逃げ切りたい白鳥。
だが、南場が重い。なかなか試合が終わらない。
親の連荘と流局がひたすら続き、南4局5本場、
とうとう“鬼姫” 伊達朱里紗がやってくる。
この局、中盤に、
カンをしている本田が、直前にチーしてを切ってきた。
テンパイした伊達は、