そして二枚切れのを引いて、一枚の受けを逃さない切り。
これで茅森の狙いが少し分かるだろう。出和了り率の高いペンのリーチを強く見ているのだ。チャンタはあくまでそのおまけ、ペンリーチへの布石として先切りを敢行しているように見える。
の両面の場況がよく、そちらが先に埋まりそうだからこそもう一つの愚形の出和了り率を上げることで強いターツとしていく。和了りには結びつかなかったが、これで和了りを拾ってきたからこその天才の異名。茅森らしさが出た一局ではないだろうか。
この局アガリをもぎ取り、最終的に茅森のライバルとなったのはやはりこの男、佐々木寿人。瑠美からの12000で再び茅森の後ろに着いた。
そしてオーラス、奇しくも魚谷と似たような展開。先制聴牌から親の園田のリーチに押し通して、待望のトップ!! チームとしても同日連勝を獲得した!!
3分38秒の園田のインタビューを終え、トップインタビューに和了った茅森はとても柔和な表情をしていた。
対園田〇の得能で勝てる気がしたオーラス、なんて話を楽しそうに交えながらも……
「残りボーダーまで138.9ポイント、残り24戦、この辺りはどうなんでしょうか……」
「もう、すぐですね」
そう即答したときの茅森は、遠目からでもわかる鋭い目つきに切り替わっていた。
話は変わるがキリン、いやジラフの睡眠時間は20分程だという。キリンにしては長めの睡眠時間を経て、いよいよ目覚めつつある茅森。ファンもチームも首を長くして待っていたことだろう。
日程にして残り一か月半。24戦後の景色はどうなっているか。好調・不調で片付けられない今日の結果を見る限り、その結末はまさに神のみぞ知る世界だ。