『気持ち』が生命線
〜瀬戸熊直樹の思いが
呼び寄せた快勝劇
文・千嶋辰治【火曜臨時ライター】2024年3月5日
第1試合で痛恨のマイナスポイントを計上してしまったTEAM雷電。
この試合を落としてしまうと、カットラインが大きく遠のいてしまう。
ここで登板するのは、頼れる兄貴。
瀬戸熊直樹だ。
「本田が珍しく落ち込んでいたので、昨年頑張った本田を元気にしなきゃと思う気持ちが一番強かったのと、ここでマイナスになると一気に崩れる可能性があるので、とにかく集中しようと思っていました。」
私からの取材に対し、対局室に向かう心境をこう語った。
チームのため、ファンのため、そして何よりかわいい弟分のために、瀬戸熊は牌と向き合う。
第2試合
東家:二階堂亜樹(EX風林火山)
南家:小林剛(U-NEXT Pirates)
西家:瀬戸熊直樹(TEAM雷電)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
東3局。
多井が好配牌を手にする。
さらにを引き入れて早くもイーシャンテン。
567の三色も見えており、スピード、打点ともに申し分ない。
対して、親の瀬戸熊。
が暗刻になったが、スピード、形ともに多井に遅れをとる手格好。
さすがにこの局は多井の独壇場か… と思われたが、有効牌を引けずに足踏み。
その間に親の瀬戸熊がを2枚引き入れて先制リーチ。
同巡、悲劇に見舞われたのが小林。
とのくっつきテンパイの形。
そこへドラを重ねて役ありテンパイを果たす。
しかし、これは親リーチの一発目。
小林は場を見渡すが、親の河にローリングできそうな情報は見当たらない。
ならば…
意を決してを打ち出すが、これが瀬戸熊のリーチにストライク。
そして、
裏ドラがなんと暗刻の。
一発と裏3で18,000点の和了となった。
瀬戸熊の和了形をしばらく眺めた後、「はい」と返事をして点棒を支払う小林。
その姿に動揺の様子が見られないのはさすが。
対して、後が無い雷電にとっては嬉しい和了となったが、注目すべきは次局の東3局1本場。
ドラは。
第1ツモでを重ねてイーシャンテンとする瀬戸熊。
ピンズの西ヨーロッパ(2・4・6・8)から、ドラのが使えるようにとを離す。
そして、この局のドラマ。
きっかけは小林のアンカンから。
この形からをアンカンした小林。