4人の手牌が前へと倒れた。
全員テンパイでの流局。
アガリこそ出なかったものの、選手の読みが光った「美しき一局」だった。
この局に、
を止めた小林が、終始粘り強い麻雀を見せてトップを獲得。
を打たずに立ち回った伊達も、最後まで食らいついたが、惜しくも2着となった。
1戦目のスコアがこちらだ。
続く2戦目も寿人は4着に敗れ、KONAMI麻雀格闘倶楽部は、セミファイナルで姿を消すこととなった。
トップとなった小林の最大の武器は、
なんと言っても「揺れないメンタル」だろう。
レギュラーシーズン最終盤、そしてセミファイナルと、思いが溢れる選手が多い中で、こんなにも落ち着いて平常心で麻雀が打てるのは小林の心が強いからに他ならない。
この長所は、ファイナルシリーズでも活きてくるはずだ。
その点からも、私はPirates優勝争いのキーマンは小林剛だと考えている。その戦いぶりに注目したい。
さて、今日でセミファイナルシリーズが終わった。
苦しい位置から、一縷の望みを繋ぐために戦った伊達の姿も、
火曜日に、
とめどなく日向の頬を流れた涙も、
みな、美しかった。
今日取り上げたような打牌選択の技術、そして選手達が織りなす人間ドラマ、この2つがMリーグの大きな見どころだと私は考える。
モニターが映し出す「美しい打牌」と「美しい姿」を見るために、これからもMリーグを見続けていきたい。
そして、ドラマはもちろんここで終わりではない。
まだ、極上の最終章「ファイナルシリーズ」が残っている。
開幕は来週、5月6日(月)。
泣いても笑っても、今季のMリーグはあと2週間。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite