から打ち出して、
狙いは国士無双!
「があと2枚…」
窮地に立たされても、冷静に場を見ながら、えるは一撃でトップとなる道を進んでいった。
さぁ、オーラスが6巡目を過ぎたところで、
最初に動いたのは、
「チー」
にいなだった!
「ひふみ(123)で終わらせたい」
覚悟を決めての前進。
ところで、にいなが23歳何本場だったか忘れたが、ひふみなんてよく知っているものである。
このままにいなが逃げ切るか、と思われたそのとき、
「チー」
渋ハルが鳴いた!
「2000点直撃ルート、発進。もう1枚ドラ()を引けば…」
「どっからでも足りる!こういうことでしょ!!」
これで、どこから出ても渋ハルは2着。
しかし、最終形はこの形ではなかった。
「…行こう」
「トップ条件を作ったっていい!!」
ドラのツモ、そしてツモでもトップ!!
ひとつ鳴いたところから、ここまで手が化けるとは。
一方、トップ目のにいなは、
一足早く、テンパイを入れていた。
ただ、渋ハルもはアガリ牌。
もつれると、渋ハルにツモられて、まくられてしまうかもしれない。
にいなを、そして渋ハルを応援して、モニターを食い入るようにして見る人々の、鼓動が早くなる。
親番のはねるは、
イーシャンテンからなかなか進まない。
えるは、
リャンシャンテンが長引いている。
テンパイしている、二人の勝負。
だが、神様がもったいぶっているかのように、決着がつかない。
そして、連荘のかかった、はねる最後のツモ番がやってきた。
ドラの。
これは両者の当たり牌。
神域リーグは頭ハネとなるので、切るとにいなのアガリだ。
「ふぅ…」
ひとつ、大きな息をついてから、
はねるは、を止めた。
まだドラマは終わらない。
「宇宙の果てまでいっちゃいましょうー!」
と息巻いていたにいなの手が、
最後のツモで止まる。
「テンパイノーテンでも大丈夫か…」
そうつぶやいて、にいなはテンパイを崩した。