
テンパイから、

を止めるプレイヤーがいた。
渋谷ハルだ。
APEX配信で魅せる超絶技巧と「穏やかで聞きやすい語り口」が超人気のストリーマーだ。
その配信中の佇まいは、一部で「銀閣寺」にも例えられている。
そしてこの日は、麻雀でも渋い打ち回しを次々に繰り出していた。
東3局の親番は、

ここから、
「ポンだった…はず!!」

下家の切ったをすかさずポン!
機敏に、タンヤオ三色赤ドラの12000テンパイを入れる。
これには、すでに仕掛けていた対面のえるも、

「あ…()とられた…」
と困り顔。
さらに東4局、

テンパイした渋ハルは、

を切ってテンパイ外し!
こうしておけば、
を引くと、
の
–
–
待ち。
を引くと、
の
–
待ち、
そして、

を引くと、

このような待ちに!!!
滋味あふれるテンパイ外しだ。
他にも、ツモでのマンズリャンメン待ちや、
のようにより広いイーシャンテンになる引きもある。
これを、

一発でツモって、リーチ一発ツモピンフの1300-2600!
3着となっていたオーラスでは6巡目に、

2メンツが出来た、比較的いい並びの牌姿を手にしていた。
最後に、南4局をラス目で迎えたのは、える。

(配信の待機画面が、鬼お洒落)
神域リーグデビュー戦となったこの日は、失点の続く辛い展開を強いられていた。
それでも彼女の麻雀には、キラリと光るものがあった。
東2局、

えるはここから、

を切ったのだ!
一通のイーシャンテンは維持しながら、ピンズの四連形が綺麗に伸びたらピンフにしようというエレガントな一打だ。

2巡目後、ピンズが伸びる!
この手はここまでだったが、非凡なセンスを感じる一打だった。
そんな、えるが
「何だこの手牌ぃぃぃ…」

と声をあげる。