麻雀最強戦2019
男子プロ代表決定戦
「悪魔の逆襲」
ダルマ、猿、入道をあざ笑う
多井隆晴の悪魔の押し引き
【A卓】担当記者:危険な鬼太郎 2019年8月25日(日)
予選A卓。この悪魔の逆襲という名のタイトルの通り。悪魔のような四人がそろった。
悪魔のような読みを入れる多井隆晴。悪魔のようなリーチを打つ佐々木寿人。悪魔のような鳴きを駆使する猿川真寿。そして顔が悪魔のようにしか見えない紺野真太郎だ。
登場シーンで小型扇風機を持ってきていてリラックスしてる紺野と、不敵な笑みを浮かべている多井が気になった。この四者の戦いを書いていきたい。
東1局
猿川が積極的にポン!ポン!
まぁ、何とも猿川らしい仕掛けだ。理想形で言えばを重ねての役3ホンイツドラ1の跳満。しかしそれは理想。をチーしてのカンの3900も辞さない構えに思える。
猿川という選手は鳴きのバリエーションが本当に広い。安い鳴き遠い鳴きも好んでする選手。他の3選手も猿川の仕掛けがどういう仕掛けか分かりづらい。
その間に多井も聴牌。
1枚切れのとの聴牌だが、多井は少し考えると対子のに手を掛ける。
猿川の打点も分からないうちにこんな二千点の愚形リーチ。いかに親番とは言え打てない。にくっつけてのメンタンピンか。ドラのの伸びを期待しての聴牌崩し。
5800以上かつ好形になれば猿川とも勝負できる。
その間に紺野が聴牌。多井とは違い、子で愚形リーチを打つ。
平面を見ずに何も考えないとカン待ちでリーチしたほうが打点が高い。だが、このカンはリーチしたら誰も出してはくれない。
切りのモロ引っ掛けリーチとは言え猿川は2副露。手が詰まれば出るし、他家からも出る可能性もある。
多井が聴牌。追いかけリーチ。
これがさきほどまで二千点だった手牌なのか?と言われるぐらい綺麗な手だ。高目のだと文句なしにマンガン。
これを紺野から一発でを捉えて、リーチ一発ピンフ。5800点の加点。
多井のキャッチフレーズの最速最強とは矛盾しているような聴牌外し。多井の最速は勝ちへの最短手順の道だ。
続く一本場
猿川が楽しませてくれる一打を魅せてくれる。
ポン!ポンでの打牌。目の前のマンガンのイーシャンテンを取らず、字一色を見た一打を魅せた。
東1局でも似たような鳴きをしている。こんな仕掛けを毎局していては対局者も猿川の手牌を読むことは非常に難解だと思った。
親の多井が聴牌。即リーチ。
正直、多井ならヤミテンもあるかと思ったが強気にリーチと出た。今なら他家からポロリと出る可能性がある5800よりも4000オールを引きに行った。
強気な打牌だ。
これを一発でツモって6000オール。東1局ですでに当確ランプがつきかけている。
何なんだこの多井の強さは。リーチするときとしないときの差は?アガリへの嗅覚が優れているとしか俺には思えない。
東1局2本場
寿人が役無しヤミテン。
へぇ…。ヤミテンにするのは意外な選択に見えた。これがドラ3じゃなければ当然のヤミテン。これは三暗刻から四暗刻まで変化する可能性がある手。
だがこの手牌はドラ3。多井の序盤のリードに少しでも追いつくためにリーチじゃないのが意外だった。
と思ったらすぐにツモ切りでリーチ宣言をした。をポンしてヤミテンのドラ3は魅力的だが、この手はが出てくるまでに一枚でも他家にを切られると一気に魅力のない手になってしまう。
この待ちは引き算理論では山に4枚しかいない牌。それが3枚になるのはとても致命的。ツモ切りリーチは心情的にしにくいと思うが、ノータイムでリーチするのが寿人麻雀の強さの一つだと思う。
聴牌を入れている多井。
は寿人のツモ切りリーチの筋で通りやすそうに見える。が通るという情報が何一つないので聴牌を取るならば打の一択。
多井は通りそうなを切らずに現物の切りで放銃を回避。凄い守備力だ。
は数あるうちの危険牌。を切っての聴牌復活を狙う。
そしてラス牌のを寿人がツモって2000-4000ここで寿人と多井の両者がいっきにぬけだす。
そして、もっとも秀逸だったのが東2局の多井だ。