2年間の苦難を超えて、記録ずくめの1日 中田花奈 私は楽しむ姿を見てほしいから!【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/3 第1試合】担当記者 後藤哲冶

2年間の苦難を超えて、
記録ずくめの1日
中田花奈 私は楽しむ姿を
見てほしいから!
文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2025年11月3日

BEASTXはチーム創設今年で3年目を迎える。
今日登板する中田花奈は、その創設メンバーであるが──

ここ2年のチームの成績は、非常に厳しいものとなっていた。
初年度は-378.7ptそして2年目となった昨年はまさかの-1143.6ptで歴史的大敗。
中田自身も、昨年はマイナスが500を超えてしまい、苦しいシーズンとなってしまった。

そして迎えた今年。
中田は今シーズンを迎えるにあたって、「私が麻雀を楽しむ姿を見てほしい」と語ったという。

今日は自身が喜ぶ姿を、ファンに見せることはできるだろうか。

第1試合

東家:中田花奈BEAST X
南家:逢川恵夢EARTH JETS
西家:鈴木優U-NEXT Pirates
北家:鈴木たろう赤坂ドリブンズ

序盤の中田の動きは徹底していた。

東1局、中田は親番ではあったが、2人からのリーチを受けて対子の【北】を落としていく。
【赤5ソウ】引きで行きたい手ではあったが、愚形が残っているこの手からでは厳しい。

続く東2局、カン【5ピン】を引き入れて、これで形はイーシャンテン。
ただ、親の逢川からのリーチを受けていて、現物は【3ソウ】【3ピン】
ただ、その2枚しかないので、ここはまっすぐ打【2マン】とするのもありだが。

中田は【3ソウ】を中抜き。形を壊してベタオリを選択。

確かに安全牌は少ないかもしれないが、手牌の価値も低い。
親リーチに対して押していくにはリターンに乏しく、ならば徹底的にガードを固めた方が良いと判断したのだ。
自分の手牌価値が無いときはしっかり守備を固める。
当たり前の事に思えるかもしれないが、手なりに進めているとある程度形が整ってしまうことの多いゲームだからこそ、この線引きも意外と難しい。

そのアガリチャンスがやってきたのは、優がアガリを重ねて少し大きめのトップ目に立った後の東3局1本場だった。
中田はドラの【9ピン】の重なりと、【7マン】【8マン】【4ソウ】【7ソウ】のイーシャンテンだったところに、【4ピン】を引いてきた。
テンパイする枚数が一番多いのは【8マン】切りだが。

中田はドラの【9ピン】切りを選択。
良い選択だ。【2ソウ】【5ソウ】引き等でのテンパイは逃す格好となるが、そのテンパイはドラ表示牌待ちのカン【8ピン】
ドラを切ってもタンヤオが確約されているこの手では、最終形を意識した【9ピン】切りは非常に良い一手だと思う。

裏目となる【8ピン】を引いてしまったが、ここは柔軟にその裏目を受け入れて【8マン】切り。
今度はピンズ3~9どれを引いても良いテンパイになる他、ソーズで雀頭ができた場合でもフリテン【3ピン】【6ピン】【9ピン】待ちでリーチが可能。

終盤、たろうからリーチが入る。
【8ピン】を引き入れてドラ赤のピンフ【4マン】【7マン】待ち。

直後に中田が追い付いた。
これならばフリテンにもならない。【4ソウ】【7ソウ】待ちで勝負。追っかけリーチだ。

前巡にテンパイを入れていた逢川がツモ切りリーチを敢行。
これで3人リーチ。

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