2年間の苦難を超えて、記録ずくめの1日 中田花奈 私は楽しむ姿を見てほしいから!【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/3 第1試合】担当記者 後藤哲冶

最後方から親番優まで飛んできた……!
【2ピン】【3マン】のシャンポン待ちは2枚見えているがお構いなし。
これで4人リーチ。制したのは――

中田だ!
優からの【7ソウ】は中田逢川両名からロンの声がかかるも、頭ハネで中田のアガリ。
裏ドラが1枚乗って、5200。供託3本も手に入れてマンガンクラスの収入だ。
これで、トップ目の優に迫る2着目に浮上。

東4局

中田がペン【7ピン】を引き入れてイーシャンテン。
しかし手牌価値はまたしても高くはない。ここは【5ピン】切りを選択。
【8ソウ】切りとしておくと、【6ピン】引きや【4ピン】引きでも一気通貫の渡りを見つつ、ドラの【3ソウ】引きにも備えられるが、ピンズが場に高いのを嫌った形。
インタビューでも語っていたが、この局はあまり「やる気がなかった」と中田は語っている。
麻雀には時にこの「やる気のなさ」も大切だ。メリハリをつけないと、中途半端な形から放銃してしまうリスクもある。

カン【5ソウ】を引き入れて、カン【2ピン】待ちで即リーチ!
これならば先に切ってある【5ピン】が光る。リャンカンを先に固定する手順はレアだからこそ――

相手からの盲点になる。
これを逢川から一発でとらえて2600の加点。
加点自体は大きくないが、親番たろうに大物手のイーシャンテンが入っていたこともあり、大きなアガリとなった。

南1局

親番を迎えた中田、【白】を重ねてホンイツが見えてきた。
一打目に【9ピン】を選んだあたりからしても、このホンイツは狙いの一つであったように見える。

絶好の【3ソウ】を引き入れてイーシャンテン。
【白】をポンしてテンパイもとれるが、それだと5800点だ。
そこを許容するかどうか。

鳴ける牌は出ないまま、7巡目に【7ソウ】を引いてメンホンチートイツテンパイ。
【南】は2枚切れのため、まずは【6ソウ】単騎に構えた。

次巡、引いてくる【中】
これは1枚切れの字牌で待ち頃。
待ちはこの【中】にしたい。あとはリーチ判断だが…… ダマテンでもツモれば跳満、出アガリ12000。
更にこの【中】は今仕掛けた優の現物。
ダマっていればかなり出アガリ率は高そうだが。

「リーチ」

中田の選択はリーチだった。
良い選択だと思う。
そもそもこの【中】という待ちが悪くなく、なら優にこのまま手を進めらるより、手に制限をかける意味でもリーチしたい上に。
自身の河も【9ソウ】をツモ切りしていることから、ホンイツと断定はしにくい河になっている。

序盤の立ち回りでもそうであったように、中田のスタンスは一貫している。
守るときは守り、攻めるときは徹底して攻める。
打点もより高く、この中田の選択は――

倍満で帰ってきた!
なんとツモって裏ドラ2枚の8000オール。
あまりにも大きいアガリ、これでトップ目に立った。

中田はここまでMリーグでの最高打点が、12000だった。
それを大きく更新する、あまりにも嬉しい24000。
が、中田はそのアガリを決めた直後、口を真一文字に結んで、静かに闘志を燃やしていた。
まだ、終わってない。
笑顔を見せるのは、トップを持ち帰った後で。

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