クレバーな見逃し
白鳥翔が見つめられる中
下した判断
文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2024年10月7日
白鳥翔は初年度からMリーグにいる今年で7年目の選手。
常勝軍団と名高い渋谷ABEMASの主力選手として活躍している白鳥は、今年はMVPを狙うと息巻いていたが。
今年は幸先の悪いスタートとなっていた。
初戦は3着で、続く自身今期2戦目となった9月23日の第1試合では4着。
内容も良くなかったと語る4着になってしまい、大きくポイントを減らしてしまう。
チームも、開催からまだ1ヶ月と経っていないとはいえ、最下位の位置は気分が良いとは言えないだろう。
白鳥がこの暗くなりかけた雰囲気を、吹き飛ばすことができるか。
10月7日 第1試合
東家 二階堂亜樹 (EX風林火山)
南家 岡田紗佳 (KADOKAWAサクラナイツ)
西家 中田花奈 (BEASTX)
北家 白鳥翔 (渋谷ABEMAS)
岡田がリードする展開で迎えた東2局1本場。
白鳥にこの日最初のチャンス手が訪れる。
を引き入れてこの形は、一気通貫と三色が同時に見える、所謂ゴールデンイーシャンテンという形だ。
引き入れたのは
。
三色も残る、悪くない入り目だ。三色の可能性が残る、![]()
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待ちでリーチへ。
ツモったのは安目の
だったが、裏を1枚乗せて2000、4000のツモアガリ。
親の岡田もホンイツのテンパイを入れていたことを考慮しても、このアガリは大きい。
南1局
親番を迎えた亜樹が、4巡目にこの形からポンを選択。
メンゼンリーチになってもそこまで打点が無いため、トイトイで他家を牽制しつつアガリを見る形だ。
上家ということもあって、白鳥は亜樹に対して強い牌を切ることは無かった。
安全な牌を切りながら、守備的な進行をとる。
白鳥も、亜樹の手出しから、仕掛けが少し遠いものである可能性は感じ取っていたかもしれない。
しかし、やはり、自分のてが見合わない且つ、点数状況も有利であるなら守備的に。
読みは武器になるが時に諸刃だ。冷静に局を進めていく。
白鳥と同様、岡田と中田も親の亜樹の仕掛けに対応していたが、最終盤、岡田が
をポンしてテンパイを入れる。
続け様に、中田にもテンパイが入った。
は通っていない牌だが、テンパイであればと切り出していく。
この
に、全員テンパイであるという状況を察知した白鳥。
をポンすることで、本来岡田までで終わる局だった所を、中田までハイテイを回す。
おそらく自分がなにもしなければ、3000点の失点がほぼ確定的。
であれば、中田にツモ番を増やして、中田がツモでも良いし、放銃でも良い。
とにかく自分の失点が減る未来を増やすためのポン。
これが見事に決まった。
中田がハイテイで掴んだ
を切りきれずオリに回される。
本来3000点の支払いだったところを、1500点の失点で済ませることに成功。
地味だが、侮れない。自らが得する選択を最後まで諦めなかった白鳥の執念勝ちだ。














