クレバーな見逃し 白鳥翔 が見つめられる中、下した判断【Mリーグ2024-25観戦記 10/7 第1試合】 後藤哲冶

南3局

ドラドラの好配牌をもらった白鳥は8巡目に【7マン】を引き入れて選択。
【6ソウ】を切れば【4ソウ】【7マン】のシャンポン待ちテンパイだが、如何せん待ちが悪い。
【6ソウ】を切って一旦ダマテンに構える選択もあるが、そうすると【7ソウ】等の【6ソウ】のくっつきの変化を逃してしまう。

白鳥が選んだのは、【7マン】のツモ切りだった。
こうしておけば、【7マン】周りと【6ソウ】周りの変化も捉えられる。
そして、裏目であるドラの【4ソウ】を引いてしまった時も――

【5ソウ】【6ソウ】【9ソウ】待ちのリーチが打てる。白鳥の判断は早かった。このドラの【4ソウ】引きも想定していたのだろう。
2000、4000のアガリを逃す恰好になってしまったが、この待ちでリーチできるならそこまで悪くない。

後が無い親番の中田から追っかけリーチを受けるも。

見事【5ソウ】をツモって3000、6000のツモアガリ……!
2000、4000は逃す形になってしまったが、裏ドラが乗って高くなってくれたのは僥倖か。
これでトップ目でオーラスを迎えることに成功。

南4局

12巡目、白鳥が最後の選択を迫られる。
【4ピン】を引いてテンパイ。【1ピン】を切って、【2マン】【5マン】待ちにするところまでは確定。
あとは、リーチをするかどうかだ。

現状の2着目岡田との点差は7500点。
1300、2600のツモアガリでトップを捲られることから、安全圏とは言い難い。
点差を広げることを重視するなら、リーチといきたいところだ。

しかし、リーチと言うとこの局で伏せる……つまり流局時にノーテン宣言をすることができなくなってしまう。

対面から怖い人が見てくる……。
そんな状況でも、白鳥は最善を見つけなければならない。

白鳥が選んだのは、【1ピン】切りダマテンだった。
そして選んだのは、これだけではなかった。

直後、中田から【2マン】が出る。当たり牌だ。

なんとこれをスルー。
白鳥があの静寂の中決めたことは、リーチ判断だけではなかった。
中田と亜樹からの2900出アガリは、次局岡田との点差が10400点差にしかならず、満貫ツモ条件が残ってしまう。

しかしツモか岡田からの直撃であれば。
次局は岡田の満貫ツモ圏内から逃れ、比較的安全に連荘をすることができる。

次局を、より安全にトップを獲るルートを見据え、下した判断。
この第1試合勝負の決め手になったのは、白鳥のクレバーな見逃しだった。

トップを取った白鳥。

インタビューでの姿は、今季初トップにひとまず安堵しているように見えた。

長いシーズン、まだまだ超序盤とはいえ、チームも個人も不調のまま進んでいくのは良いことではない。

この勝利が、渋谷ABEMAS上昇のきっかけとなるか。
まだシーズンは、始まったばかり。

 

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