レジェンドの猛追を退けて
朝倉康心、復活の序章
【A卓】担当記者:東川亮 2021年3月14日(日)
麻雀最強戦2021、開幕。
今年も「日本で一番麻雀が強いヤツ」を決める戦いが始まった。
3/14に行われた「因縁の血闘」には、そのままファイナルのメンバーでもおかしくない豪華メンバーが終結。
開幕戦となるA卓では、それぞれに実績と個性のある打ち手による、白熱の闘牌が繰り広げられた。
決勝卓に勝ち進める2位以内に入ったのは、果たして。
朝倉康心。
ネット麻雀「天鳳」で2度最高段位「天鳳」を獲得、ネット麻雀の申し子としてプロの世界に飛び込むが、近年は目立った活躍をできていない。
Mリーグでもここ2年は非常に苦戦し、所属するU-NEXT Piratesはレギュラーシーズンで敗退してしまったが、この舞台で再び存在感を示したい。
登場では一発、自らの頬を張って気合いを入れた。
滝沢和典。
長らく一線で活躍している人気雀士だが、不思議とこれまで麻雀最強戦での活躍はなく、昨年が初めてのファイナル出場だった。
ファイナルではこの日のB卓に出場する近藤誠一・新井啓文に敗れたが、ここを勝って決勝卓に進み、雪辱を果たして2年連続のファイナル進出を決めたい。
井出洋介。
昨年はこの日の対戦相手である新津にオーラス四暗刻をツモられて敗れ、敗者復活戦「ザ・リベンジ」でも後の最強位・多井隆晴に屈した。
先日は所属団体の麻将連合-μ-にて、選手としての一線を退き功労選手として活動していくことが発表されたが、その麻雀はまだまだ衰えていない。
新津潔。
昨年は「キングオブ鉄人」のオーラス四暗刻ツモで井出を下してファイナル進出、準決勝まで勝ち進んだ。
ベテランなお健在を示した中、今年は「シュンツマスター」が得意のシュンツ手で勝ち上がるところを期待したい。
小場で進んだ東3局1本場、局面が大きく動いた。
朝倉がツモホンイツ一気通貫ドラの倍満、4000-8000は4100-8100のツモアガリで他3者を一気に突き放すアガリ。
2着までが勝ち抜けるレギュレーションにおいてこのリードは圧倒的、見ている側としては、朝倉が早くも決勝卓の1枠を決めたかと思えた。
しかし、朝倉はここから、レジェンド2人の脅威にさらされ続けることとなる。
南1局2本場。
この局はベテラン二人が面白い打ち筋を見せた。
親の新津は、平和リーチが打てそうな形。
現状2着目とは言え差はわずか、何とかアガって下位陣を突き放したい。
トップ目とはいえ、朝倉もこれ以上新津の親はやらせたくない。
ポンから動き、の後付けでのアガリを目指す。
は1枚切れで、先手を取られたときの守備駒としても利用可能だ。
局は進み、新津はこの形から・・・
打ち。
タンヤオ仕掛けも考えるなら打という手もあるが、それだと仕掛けてタンヤオのみのテンパイで愚形残りというパターンがある。
それよりも手牌の柔軟な変化を見た格好だ。
ペンにも備えられるし、ソーズ周りをほぐしてのリャンメン待ちも作れそう。
もちろん、カン引きは最高だ。
一方の井出は、この形から・・・
のトイツ落とし。
ドラが1枚あるリャンメン・3メンチャン残りのイーシャンテンを取らなかった。
イーシャンテンに取れば役がないためにリーチ手順となるが、井出はとにかくリーチの少ない打ち手。
ここでもヤミテンでアガれるテンパイに向かおうということか。
タンピン三色にでもなれば打点も十分だが、この重厚な打ち筋には唸らされる。
先制は新津。
親番での待ち平和テンパイなら「シュンツマスター」として当然の選択だろう。