【神域リーグ2024 第27試合観戦記】因幡はねるの憂鬱【文 ゆうせー 】

対局が始まってすぐに、因幡はねるは、こう話した。

「私あんまり緊張しないんだけどさ…

ドキドキしてるもん今、珍しく」

3試合目

東家:風見くく(チームアトラス)
南家:鈴木たろう(チームゼウス)
西家:因幡はねる(チームグラディウス)
北家:松本吉弘(チームヘラクレス)

はねるの鼓動が早くなるのも無理はない。

なぜなら、

この試合が、チームグラディウスのレギュラーシーズン最終戦だからだ。(10節は抜け番)

そして、セミファイナルを残しているとはいえ、非常に厳しい位置にいるグラディウス。

ファイナル進出ボーダーの4位に入るためにも、ここは落としたくない。

いや、落とせない。

東1局、はねるは、

いい形のイーシャンテンになっていた。

これが、

テンパイしないまま、対面くくのリーチを受け、結局は下家の松本のアガリとなる。

参加させてもらえない。

次の局、

「フゥ…」

胸の奥からあふれるのは、深いため息と、

【中】、鳴かせて…」

という切実な想い。

だが、麻雀牌に心はない。

願いは聞き入れられず、

形が整う前に、親のたろうからリーチがかかる。

「いやー、キツい…」

という声とともに、

はねるは、【中】で迂回した。

そう、「迂回した」だけ。

まだ、諦めていない。

たくさんの牌が並べられていった、最終盤に、

はねるはテンパイを果たす。

残りツモは、1回。

出ていく【3ピン】は、危険牌。

はねるの気持ちは、固かった。

「こんなの、オリてらんないぜ…!」

俺たちの因幡はねるは、リーチをするに決まっている!!!

一発&ハイテイのツモは、

【2マン】ではなかった。

流局。

⸺あと1牌が遠い。

東2局2本場に、

ドラの【南】が重なった、いい手が入るも、

「は??」

あまりにも早いたろうのアガリに、はねるの本音が溢れ出た。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀 新刊情報/