ただ当然、見逃しにもリスクはある。
松ヶ瀬がアガれたを、白鳥がチーしてテンパイを入れる。
待ちはカンと苦しいが、山に1枚残っていた。
もしすぐに白鳥がをツモることがあれば、2着浮上が厳しくなってオーラスを迎えることになる。
直後、松ヶ瀬の胆力にツモが応え、を引き待ちに変化する。
当然のリーチ。
高目のをツモれば裏ドラが無くとも満貫だ。
このリーチを受け、白鳥はすぐに撤退。
松ヶ瀬のツモは残り3回で36mは山に2枚。
山の残り枚数は22枚なので、約26%。
松ヶ瀬のたくましい腕が、を引き寄せる。
リーチ・ツモ・タンヤオ・イーペーコー・裏1の2,000-4,000を成就させる。
このアガリにより松ヶ瀬は3着に浮上。
順位点で考えると、▲30.0ptだったのが▲10.0ptになり、満貫の8,000点を入れるとこのアガリで実に28pt分加点したことになる。
オーラスは2着目白鳥がたろうの仕掛けに差し込み試合終了。
2着逆転とまではいかなかったものの、一時期は箱下まで失点していたことを考えると、十分すぎる活躍と言えるだろう。
チーム成績の苦しい風林火山。毎年安定した成績を出しているが今シーズンはなんと最下位に位置している。
松ヶ瀬を初め他の選手も展開に恵まれず、逆風にさらされている。
しかし並大抵の風で浮足立つことはないと、今回の試合で見せてくれた。
不動の山が動くとき、必ず逆転の一手を仕掛けてくる。
常勝チームが、このまま終わることはないだろう。
日本プロ麻雀連盟所属プロ。株式会社AllRuns代表取締役社長。業界を様々なやり方で盛り上げていくために日々奮闘中。Mリーグ観戦記ライター2年目。常に前のめりな執筆を心がけています(怒られない範囲で)。Twitterをフォローしてもらえると励みになります。
Twitter:@EzakiShinnosuke