その鳴きを見て、日向も速度を合わせに行く。
大介から出たをポンしてテンパイ。とのシャンポン待ちだ。
今年から表示されるようになった待ち枚数の表記に注目して欲しい。
待ち枚数はあまりにも大差。
8ー1では流石に瑞原の勝ちか。
ちゅも!
とはならないのが、麻雀の不思議な所。
このめくり合いを制したのはなんと残り1枚だった日向。
・のポン4符
・の暗刻8符
・ツモったの暗刻8符
・ツモによる2符
で合計22符。20符から加算、符は切り上げなのでこのアガリは50符3翻。
1600、3200の加点は大きい。
これで瑞原の点棒を超えてトップ目へ。
日向は続く南2局も加点に成功。
速い巡目での字牌シャンポンは、アガリ率が非常に高い。
2600の加点。
南3局
ドラドラの配牌をもらった日向。
ここで大きなアガリをひとつできれば、トップへ大きく近づく。
是非ともモノにしたい手だ。
日向は切りを選択。
素晴らしい選択だと思う。ドラが2枚ということもあって仕掛けたいが、字牌ドラなのでタンヤオには向かう事ができない。
だからこそ、役牌重なりの価値が非常に高く、のロスを受け入れてでも、南発の役牌2種類を残す価値が高い。
からの外し方も良い。
この場面はを引いた時のフリテンターツを考慮するよりも、次巡引き等でチートイツになった時の待ちの強さで残す牌を決めて良い。
狙い通り、役牌を重ねた……!
これで副露の際も5ブロックが確定したので、をリリース。
絶好のタイミングで、が出た。
これでドラのとのシャンポン待ちテンパイ。
でアガれば12000の高打点。この半荘トップを決めるアガリになると言って良い。
しかしその直後、3着目の瀬戸熊からリーチが入ってしまう。
は、瀬戸熊のリーチには通っていない。
この状況、読者の皆さんならどうするか是非考えてみて欲しい。
日向が選んだのは、プッシュだった。
現状瀬戸熊に対しての現物もだけと、決して多くない。であれば、オリるよりアガリを見たい。
この12000を決めればトップ。そう思ったからこそ決断した、日向のプッシュだった。
結果的に、これは瀬戸熊への放銃となってしまった。
リーチ一発裏1で5200の失点。
これで、瑞原の下に行ってしまった上に、瀬戸熊にもトップのチャンスを与えてしまった。
試合を終えてチーム控室に戻った後、この放銃を反省していた。
チームメイトからも、「オリた方が良さそう」と言われていた。
確かに、トップ目で南3局、リーチの一発目、ダブル無スジと、オリに寄る要素はたくさんあるだろう。
けれど、今回はこの日向の押しを賞賛したいと、私は思う。
日向は守備的な選択が多い選手だ。
むしろ今までは、押して欲しい場面でオリを選択していたこともあったと思う。
だからこそ、今回の放銃を「やっぱりオリれば良かった」で完結させないで欲しいと思ってしまうのだ。