高宮まりと松ヶ瀬隆弥、2人が見た役満の幻【Mリーグ2024-25観戦記 10/29 第1試合】担当記者 #東川亮

【2ピン】暗槓、ツモが増えるだけで視聴者が湧く。

松ヶ瀬が裏目の【3ピン】を引いてアガリ逃し。こうなればもう、高宮がツモるムードがムンムンである。

そして最後の【4マン】は!

優の元へ・・・1枚ズレていた。

流局とはなったが、最後まで【4マン】が顔を出さなかったことで、局の最終盤まで盛り上がった1局だった。

くぅー!

 

■麻雀の理が打たせた国士無双リーチの行方

東3局3本場、松ヶ瀬の手は1打目を切った段階で10種11牌、国士無双の2シャンテンだった。

こんな手は割り切りやすい。どうせ普通に手を組もうとしてもアガれる可能性は低く、それなら国士無双を狙っていき、うっかりアガれたら超ラッキー、ダメそうならそこでオリればいい。まあ、言ってもここからすんなりテンパイまでたどり着くのがレアケースであることは、ある程度麻雀を打ち込んでいる方なら分かるだろう。

あれっ、1シャンテンになった。まあまあ、落ち着けよ。

あらま、テンパった!

ただ、待ちの【南】はすでに3枚切れている。

「だったらリーチだよこの野郎!」と言わんばかりに、松ヶ瀬は怒りの国士無双リーチを敢行した!

まあ、勢いで「怒りの」とか書いたけれども、これは決して感情にまかせてのリーチではなく、合理的な判断によるものだ。

まず、リーチをかけて中途半端な手の相手を止めたり受けに回らせたりすることで、自分がツモ抽選を受ける時間を作ることができる。そして、3枚切れの【南】国士無双にしか当たり得ない」牌。4枚目の【南】を切ってロンと言われることなんて、1万回に1回あるかないかレベルの話である。

そもそも松ヶ瀬の捨て牌は明らかに変則的とはいえ、まさかそれが国士無双だとは思えない。リーチ宣言牌が【3ソウ】で、その前に【1ピン】を切っているのも、明らかな迷彩だ。【南】は守備に回った相手からも、安全牌として切られる公算が非常に高い。

お膳立ては整った。

さあ行け松ヶ瀬隆弥、鉄槌を下し、Mリーグスタジオに雷鳴を轟かせろ

そして誰なんだ南川。

 

この局は、全員の手がそれなりにまとまっていた。まとまっているからこそ、【南】は切られる牌。

そして、松ヶ瀬に次いで高宮が【2ソウ】ポンで【3ピン】【6ピン】待ちのテンパイを入れた。

あとは、【3ピン】【6ピン】【南】が山のどこにいるかの勝負。振り下ろされた松ヶ瀬の右手にあったのは・・・

【6ピン】〜!

「ロン」

高宮のクールな声が響いた。

うそーん。

渾身の国士無双リーチ、不発。

松ヶ瀬からしばし、魂が抜けた。

そら、こんな顔にもなるぜガセさん・・・。

(※ポストは引用許可を頂いております)

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