か
を打てばテンパイだ!
ならば、園田のアガリ。
「リーチ」
大介が切ったのは、

だ!
それはそうである。

(黄色の牌がツモ切り、白の牌が手出し、黒の牌は鳴かれて持っていかれたタイミングを示す。)
なぜなら、園田が中盤に、→
と手出しで牌を切っているからだ。
もし、のシャンポンが残っているのなら、
から捨てずに
が先になるはずだ。受け入れの都合で、
リャンメンターツは維持したい。
かたや、付近の情報は園田の捨て牌にない。
そんなと異なり、
はシャンポン待ちをほぼ否定出来るのが大きいのである。
また、カンチャン待ちに関しても、全く出ていないブロックと、
が切られている
ブロックの可能性とを比べると、
を持っている可能性の方が高いと読める。
加えて、がトイツで鳴き主体の手なら、
からはポン材を残して「
より
が先に」打たれることも多い。これも実際の園田の捨て方と矛盾するため、カン
待ちもそれなりに可能性が下がっている。
このように、理(り)で危険度の差を導き出せる、この局面。
「理詰めの鬼」鈴木大介が間違えるわけはない。

勝負のめくり合いとなった。
結果は、

流局。
勝負は2本場へと持ち越されることとなった。
ターニングポイントは、8巡目だった。

園田はここから、

を河に放った!
立体図を見ながら、切る前の手を考えてみよう。

ソウズの上(数字の大きい方)は場況が良い。二度受けになっていても、は切らずにイーシャンテンをキープした方がいいだろう。
に関しては
をすでに切っていて、さらには
–
を引いても、ピンズのど真ん中の
待ちは微妙だ。
先引きはもちろんとても嬉しいが、
を残すとかなりのウエイトを
に預けることになる。
一方で、を残して
を引くと、

このような素晴らしい形となる!
このあとのツモは
切りで、高め345三色のタンピンリーチが打てる。ツモ
もタンヤオ三色だ。
他にも嬉しい受け入れがソウズとマンズで多数存在する。
を切って戻す、園田の手は踊っていた。
選択が見事に決まった瞬間だ。
ちなみに、ルールこそ違えど、麻雀AI「NAGA」5タイプの解析は、

こんな感じになっている。
バーが長い方が優れているというわけではなく、それなりにバーが伸びているも最適打牌の可能性はある、というふうな見方をする。
を切るのが無難ではあるが、
もアリ、というのが分かって面白い解析結果なので紹介した。
たしかに、引きや
引きでも
は活きてくる。選択肢としては十分にアリだろう。
さぁ、理想を追い求めて、その理想的な手牌をつかみとった園田。
だが目の前に、

本田が立ちはだかった!
園田のが危ない。
園田は次のツモで、

なんとを引いてテンパイ!

メンタンピンでリーチだ!
そして、

大介も追いついた! 高めタンピン三色の手だ!