放銃となった理由…
それは捨て牌の地図に記されていた。
それは、ケイのリーチ宣言牌の直前に佇むである。
タカキ
「あの状況、もしが当たるとしたら安牌のより先にを切ると思ったんですよね。仲林くんの場合。また複数枚持ってる牌で2巡耐えたかったのも理由の一つです。」
試合後のインタビューで悔しい気持ちを語るタカキ。
ケイ
「あそこのアガリは、テンパイからテンパイだったのが読みから外れたのかなと思ってました。」
今回は変化待ちからのリーチ宣言という少しレアな手順。僅かな手組みの違いもトッププロによっては読みの材料となり得るのもまた面白い。
こうして南場に入っても“風の妖精”はケイの元へ追い風を吹かせ、今シーズン9月27日以来二度目の“カメラ目線”を
天空のレンズに注がれるようにチームメイト、そしてサポーターへと送ったのであった。
第2章──私の職業は天才です──
実は第1章の内容で締めようと思ったが、どうしても触れておきたい冒険の書があったのであと少しばかりお付き合い頂きたい。
そのストーリーの主役は
まずは
こちら東3局の何気ないアガリ形を紹介しよう。
親番ヨシヒロの三色含み・配牌イーシャンテンのチャンス手や
タカキの倍満級も見え隠れするこの勝負手を
シンゴが・ドラ2,000の“マホトーン”で二人のアガリを封じた1局。
特に9巡目のツモ切りがシンゴ・オリジナルな魔法であった。
仕掛けた後はチーよりもポンができる方が有利とされている。ましてやが1枚切れとなると自然とを切りとし、やが上家以外から出た場合でもテンパイを取れる形を人は選ぶのだが…
カン受け残すツモ切りからの次巡ツモ。
恐らくの放たれる可能性やチーの未来なども予測はしながらだと思うが、このルートを辿れる打ち手はなかなかいない。
また
南3局では
気がつくと、カメラアングルが切り替わり自身の希望のツモ山へと手を伸ばしていた。
私達は何を見せられているのだろうか…
1巡のツモ切りを挟むと
浅井からがツモ切られる。
そして、そっと静かに手牌を倒すシンゴであった。
改めて何が起きたのか良く分からないと思うので少し整理しよう。
もし仮にヨシヒロから出アガリをした場合、
ケイ:69,000
ヨシヒロ:14,600
タカキ:8,200
シンゴ:8,200
でオーラスを迎える事になるが、実はこれはシンゴにとって避け難いシチュエーションなのである。
他三者がラス回避や終局狙いに走る点数状況となり、場のスピードが加速度的に上昇。少しのツモアガリでも親被りで4着落ちの可能性が高まってしまうとも言えるだろう。
それならば、今ここでリスクを追い、ツモアガリかタカキからの直撃によりこの局での着アップを期待する方が得策だろうというのがシンゴの魂胆。
その戦況を一気に有利に反転させる、それは正に“パルプンテ”掟破りの呪文であった。