獣は、あきらめが悪い。〜中田花奈、殊勲の逃走劇【Mリーグ2024-25観戦記 2/21 第2試合】担当記者 千嶋辰治

小林は最終的に【9ソウ】を選んで中田への一発放銃。

リーチのみの手が一発と裏ドラによって5,200へと化けて大きな追加点。

さらに中田は東3局にも、

小林、本田とのめくり合いを制して3局連続のアガリを手にして独走状態を築く。

第1試合で大介がトップを獲ってくれたことで繋がった奇跡への道。
勢いそのままに加点を続けた中田だったが…

「途中からだいぶ守備的に打っちゃったので、そこが大反省ではあるのですが…」
対局後のインタビューでそう語ったように、オーラスの親番を迎えてご覧の点数状況。

2番手の本田は満貫出アガリで逆転。
3番手の小林でも満貫ツモでトップという接戦に持ち込まれていた。

3連続和了の後、本人は守備的に打ってしまったと語っていたがそれは無理もない。
このチャンスを取りこぼしてしまうと、わずかに残るレギュラーシーズン突破の可能性が消し飛んでしまうかもしれないからだ。

しかし、慎重になりすぎてもいけない。
虎視眈々とトップを狙う追手が2人も背後に迫っている。

このゲームをどう終わらせるのか?
プレッシャーに身を焦がす、長い長い一局が幕を開けた。

南4局。ドラは【白】
中田の配牌。

追加点を得て突き放しにかかるのか、それとも手を伏せるために安全牌を溜め込むのか。
もちろん、100点すら惜しいBEAST Xではあるのだが、中田に課せられたミッションは追手を振り切ってトップを持ち帰ること。
本田、小林との差が現実的ということもあって本当に悩ましい。

 

その両者にドラの姿はなし。
中田にはわずかに追い風が吹いているように感じられる。

3巡目、
【白】が重なればひと勝負…となるだろうが、1,500や2,900の手であればリスクを背負い込むことになりかねない。

中田は結局【西】を切ったが、手が進むということは安全牌を1枚削ることになる。
攻守のバランスが非常に難しい。

そして、その裏では中田の首を刈らんと着々と手を育てている者あり。

5巡目、小林が678三色のイーシャンテンに持ち込む。
河には【4マン】【3ソウ】と並び、手が速いことを物語っている。

6巡目、

ペン【7マン】を引き入れた中田。
外連味(けれんみ)なく【東】を打ち出して強く踏み込んでいくが、本田もここでイーシャンテンに。

まさに一触即発。
中田包囲網が少しずつ狭められていく。

そして、ついにその時が。
9巡目。

本田がアガれば逆転のリーチを放つ。

対して一発目の中田の手牌。

こちらもイーシャンテンとはいえ、自力でリーチをかわすにはハードルが多すぎる。

対応を迫られた中田。

イーシャンテンをキープする【2マン】切りではあるが、急所が2箇所と難しい形。
ほとんど撤退と言って良いだろう。

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