獣は、あきらめが悪い。〜中田花奈、殊勲の逃走劇【Mリーグ2024-25観戦記 2/21 第2試合】担当記者 千嶋辰治

中田がお祈りタイムに入った頃。

下家の小林から無筋の【3ピン】が打ち出されて、中田は何を思っただろうか。

さらに小林は、

【4マン】を河に放った後、

と、無筋3連打でリーチ宣言。
中田は完全に追い込まれた。

残り20試合足らずで800ポイント近くを逆転する。

そんなことは無理だ。
多くの人がそう思うだろう。

しかし、ひとときたりともあきらめていない、往生際の悪い人たちがいる。
このポストの動画をぜひご覧いただきたい。

大介の感想戦に真正面から向き合う猿川。
そして、菅原、中田の笑顔。
それらは、勝負を諦めて悲壮感に押しつぶされた人の姿ではない。
決して、彼らは遠くにある希望の光を見失ってはいないのだ。

本当に、獣はあきらめが悪い。
そして、中田の、加えてチームメンバーの、さらにはファンの祈りが、奇跡への扉を開く。

小林のリーチの刹那、本田の右手に誘われたのは、

【7マン】だった。

これで小林は2着へ浮上。放銃した本田は痛恨の3着となった。

そして。

辛くもトップとなった中田はこの表情。
激戦をくぐり抜けた安堵か、勝利を噛み締めているのか。
さまざまな思いがないまぜになった表情が、中田が背負ったプレッシャーの重さを物語っているようだ。

中田は9月30日以来のトップで同日連勝を飾ったが、それにしても茨の道は続く。

1日で100ポイント以上を返上したBEAST Xだが、ABEMASまではまだ700ポイント以上の差。

残り18試合。
中田花奈の破顔を何度眺めることができるのか… 非常に楽しみである。

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